【政界地獄耳】その場しのぎご都合主義の連携を国民は信用しない - 日刊スポーツ(2021年11月10日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202111100000058.html

★16年2月1日、当時の民主党代表・岡田克也と維新の党代表・松野頼久が会談し、新党結成の議論がスタートした。この頃は民主党を除名になった松野など旧民主党出身者やみんなの党や結いの党、維新プロパーなどが混在する維新と民主が再結集するというものだった。ところが当時の維新の党の両院議員懇談会では「民主党の議員が体質を変えて、新しい野党を作る気持ちがあるか疑問だ。何も変わらなければ泥舟に乗る話だ」と民主党の本気度を測りかねているという具合だった。

★つまり、現在の立憲民主党と共産の関係、国民民主党と維新の会の関係とさして変わりがない。民主党という保守基盤の議員とリベラル基盤の議員とが混在する政党はどちらかに強くひかれると一方が反発する、実はその繰り返しでしかない。よく言えば融通の利かないまじめな議員の優柔不断さに貫かれている。維新創設者の橋下徹は10年12月大阪市長時代に「市役所の職員が政治活動をしている。我々が勝った場合、一族郎党がどうなるか覚悟を決めておけ。戦のおきてだ」と官公労をはじめ労組批判を繰り返していた。そこに結党の精神がある。

★ところが9日午前、いわゆる野党共闘を離脱した国民民主党幹事長・榛葉賀津也国対委員長古川元久は国会内で日本維新の会幹事長・馬場伸幸国対委員長・遠藤敬と会談し国会対応や政策面での連携強化を確認した。不思議なのは連合だ。共産党との関係は絶対許さないが、労組批判の維新には批判ひとつ言わない。随分と物分かりがいい。どの党もどの組織もその場しのぎのご都合主義で合従連衡を繰り返していても国民は信用しない。(K)※敬称略