(政界地獄耳)立憲民主は国民の求めを知るべき - 日刊スポーツ(2018年6月11日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806110000241.html
http://archive.today/2018.06.11-012354/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806110000241.html

立憲民主党の地方組織設立が急だ。10日には同党栃木県連の設立大会が宇都宮市内で開かれ、あいさつに立った党代表・枝野幸男が「草の根の民主主義を取り戻したい。そのための地域組織、県連が立ち上がってうれしい。(野党が)連携して自公と一騎打ちの構図をつくる。地方選でも定数が少ないところは候補者を(野党間で)すみ分けるべきだ」と党勢拡大とともに、与野党対決の構図を作ることを強調した。
★国民民主党保守系野党を標榜(ひょうぼう)し、自民党ともタッグを組める対応を見せるなど、第2希望の党化するかも知れない中、「秋には野党無所属議員と国民民主党の幾人かが過去に元外相・松本剛明や元外務副大臣山口壮民進党を離れて自民党入りしたような動きも出るだろう。自民党と対立軸を掲げられる本格野党としての立憲民主党の役割は大きい」(野党幹部)。
★それでも現在の立憲民主党の県連設立数はたかだか22都道府県にすぎない。勢いは示すものの、現実は甘くない。9日、地元大阪高槻で開かれた同党国対委員長辻元清美はこうあいさつした。「(維新以外の)野党共闘で、自公政権をひっくり返す。イメージとしては09年に民主党政権交代した時の流れをまた作りたい。まず自民への支持をチビチビと低下させる。このチビチビ作戦を辛抱づよく続けていると、ある時、ごろっと情勢がひっくり返る」。
★となればまずは全選挙区の「1区」を制覇し、働き方、社会保障などの悩みを抱える都市型有権者をものにし、自民党の政策に疑問を持ち始めた国民へ処方箋を掲げるべきだろう。野党は与党の口車に乗って憲法観や安全保障論が一致しないと信頼できないとあおってきた。だが、ポスト安倍の筆頭格で党政調会長岸田文雄は首相・安倍晋三とは正反対の憲法9条護憲の考えだ。まずは国民の求めているものは何かを知るべきだ。(K)※敬称略