【政界地獄耳】中東対応に五輪ボイコット危惧 - 日刊スポーツ(2021年5月15日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202105150000075.html

★コロナ対策、オリンピック(五輪)対応、いずれも菅内閣の閣僚たちは首相・菅義偉の指示で動いているのか、独自に行動しているのか、今国民は相当ひどい目にあっている。今月10日からパレスチナガザ地区ハマスが無差別ロケット弾攻撃をイスラエルの都市に行い、イスラエル軍はガザへの報復爆撃を開始。日本政府は「すべての関係者に対し、一方的行為を最大限自制し、事態のさらなるエスカレートを回避し、平穏を取り戻すよう強く求める」としている。

★ところが防衛副大臣中山泰秀は12日「あなたならどうしますか? ある日突然24時間で300発以上のロケット弾がテロリストによって撃ち込まれ、愛する家族の命や、家を奪われたら。イスラエルにはテロリストから自国を守る権利があります。最初にロケット弾を一般市民に向け撃ったのは一体誰だったのか? 私達の心はイスラエルと共にあります」。内閣の一員とは思えぬ肩入れをする。中山は日本・イスラエル友好議員連盟事務局長だが、これで中東諸国からの五輪ボイコットの可能性を危惧する声がある。

★13日、参院厚労委員会は厚労副大臣三原じゅん子が約30分遅刻したことに野党側が猛反発し、5時間以上にわたり空転した。連絡の齟齬(そご)があったというが、この日は国民に負担を強いる医療法改正案の採決の日。さすがに厚労相田村憲久も「どうなっているんだ」と事務方を叱責したようだが、お粗末な話だ。その田村は10日、衆院予算委員会集中審議で、感染力が強いとされる新型コロナウイルスの変異株が猛威を振るうインドなどからの入国制限の強化に関し「わが国は私権の制限に対する法律がない」とコロナ感染拡大は憲法や法制度を改正しないからだといわんばかりの発言をした。14日朝の分科会で政府の諮問がひっくり返ったことは初めて。コロナ相・西村康稔の英断かの報道があるが全く逆だ。「小出し主義」「業界や地方が頭こすりつけて土下座するなら、少しぐらいは動いてやろうか」というやり方が通用しなくなった。これもお粗末。これでは菅内閣崩壊だ。(K)※敬称略