【政界地獄耳】三原よ「恥を知りなさい」 - 日刊スポーツ(2021年5月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202105220000136.html

★19日の参院本会議で、首相・菅義偉は厚労副大臣三原じゅん子が13日の委員会に遅刻したことを巡り全面的に謝罪した。その前日の参院厚労委員会も謝罪ラッシュだった。厚労相田村憲久が「国会日程に影響を及ぼすことになったことは、誠に遺憾だ」と陳謝。三原本人も「会期中は国会対応が優先という中、審議中に他の公務により離席し、委員会の審議に迷惑をかけたことについておわび申し上げます」と頭を下げた。

★野党が大騒ぎしただけとの見方を指摘する人もいるが、参議院の権威を汚す行為としてこの副大臣のために厚労相と首相が議会と国民に陳謝している。また三原は官房長官加藤勝信にも官邸に呼ばれて厳重注意を受けた。ところが三原は連絡ミスや誤解があったと言い訳ばかり。13日の委員会では国民に負担を強いる健康保険法改正の採決があり、委員会流会は三原の理屈など通用するものではなかった。タレント議員のお粗末な失態の笑い話ではない。ここまでが連日扱われたニュースだ。

★その厚労委員会では三原の謝罪後、立憲民主党石橋通宏が質問に立ち、「冒頭『国会を優先すべきである』と。なぜ国会を優先すべきなのか。どういう理解なのか」と問うと三原は席に座ったまま固まってしまい、何も答えられない。委員長は速記を止めろと言いだし、官僚が慌てて資料を読ませて収めた。内閣の一員としての水準ではなかった。すると今度は20日、防衛副大臣中山泰秀参院外交防衛委員会に遅刻。弛んでいるとしか言いようがない。三原は09年6月24日、当時の首相・安倍晋三の問責決議案の反対討論で野党に対してドスの利いた声で「もういいかげんにしてください」「もううんざりです。恥を知りなさい」と訴えた。そのままお返ししたい。(K)※敬称略