(政界地獄耳)「現状」より「計画」通りのコロナ対応 - 日刊スポーツ(2020年6月16日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202006160000180.html

★15日の会見で官房長官菅義偉は東京都の新型コロナウイルス感染者が14日に47人になったことへの受け止めを「ここ数日、新たな感染者の確認は一部の自治体にとどまっている。引き続き自治体と連携しながら感染拡大防止と社会経済活動の両立を目指したい」とした。また、19日にすべてを解除する予定に関して「感染リスクをコントロールしながら、県境を越えた旅行を含めて、段階的に社会経済活動のレベルを引き上げていきたいと考えている」と予定通りの考えであるとの認識を示した。

★コロナの状況判断は初期段階から遅く、楽観視してきた政府だが、相変わらず国民よりも先にしかるべき場所に税金を投入することは素早いが、コロナ対応については現状の変化より計画通りということか。いずれも経済財政担当相・西村康稔にコロナ担当を任せる政府に何を言っても経済最優先に変わりはない。

★一方、韓国ではコロナによって政府の組織と機能の改変を試みている。韓国政府は3日に政府組織法の改定案を発表。国立保健研究院を日本の厚労省に当たる保健福祉部へ移管するとしたが、研究機関が福祉部へと移管することへの反発が出ていた。15日、大統領府と与党は疾病管理本部を疾病管理庁に昇格させ研究機関である保健研究院を疾病管理庁に残す決定をした。いずれも今後の第2波対策といえる。そもそも研究機関と医療現場とは切り離して機能させるべきという議論が根底にある。

★転じて日本では厚労相加藤勝信の指揮の元、厚労省と初動が遅く混乱したことで、あわてて西村をコロナ担当にしたが、西村の役割は景気回復でもあり、中途半端な政策しか出せなかったのではないか。日本の場合は組織よりも大臣の力量が問われた結果になったといえる。いずれにせよ第2波対応で各国とも第1波の教訓が生かせるか否かがわかる。(K)※敬称略