(政界地獄耳) 自民の自信も地方選挙次第 - 日刊スポーツ(2021年1月6日)

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自民党本部では5日、党総裁・菅義偉も参加して役員会が開かれた。衆院の任期満了が10月21日に迫っていることから、党幹事長・二階俊博は「来る衆院選の勝利に向けて、党は総力を結集して突き進む」とし、党選対委員長・山口泰明も「いよいよ勝負の年だ。衆院総選挙をはじめ各級地方選挙の勝利に向けて取り組んでいきたい」と、げきを飛ばした。

★確かに今年は選挙イヤーと言っていい。「自民王国」の岐阜県では今月24日、55年ぶりとなる保守分裂の知事選が投開票される。同日の山形知事選では、13、17年と自民党は候補者の擁立すらできず不戦敗を喫し、実に12年ぶりの選挙となる。4月4日の秋田県知事選も保守分裂は必至。千葉知事選は3月21日。静岡知事選は7月4日。他にも横浜市長選、東京都議選と、重要な地方選挙が多い。

★そして衆院選はいつになるのかが大きなテーマだが、コロナ禍で昨年も幾度かの解散のチャンスを自民党は逃している。二階はこの後の記者会見でも「自民党としてはいつ解散があってもいい。首相が決断すればちゅうちょなく選挙対策に取り組む態勢を整えている」と豪語した。二階はコロナ禍においても平時の発想でしか、ものを見ない。この会見でも五輪について「自民党として開催促進の決議をしても良いくらいに思っている。開催しないということのお考えを聞いてみたいぐらいだ。スポーツ振興は国民の健康にもつながる。大いに開催できるように努力するのは当然のことだと思っている」。

★コロナ禍での選挙では、政治家の不用意な発言や行動も問われる。自治体では危機管理の力量が問われることになる。コロナ対応の補助金の扱い方など知恵を出した自治体と、判断ミスがあった自治体など市民の評価が分かれたところもある。つまり、自信たっぷりの自民党も前哨戦となる地方選挙で負けが続けば、思惑通りにはいかなくなるだろう。国民はコロナ禍の中で生きている。(K)※敬称略