【政界地獄耳】連合は分裂の局面を迎えるのか - 日刊スポーツ(2021年6月21日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202106210000072.html

★17日、連合事務局長・相原康伸は自民党政調会長下村博文を党本部に訪ね、政策懇談会を行った。コロナ禍の長期化を踏まえ、雇用調整助成金の特例措置の延長要請や、税制改革について意見交換した。下村は立憲民主党共産党選挙協力を例にとり「政策や方向性が全く違うのに連携するのは違和感がある」「東京都議選や次期衆院選ではそれぞれの考えがあるが、連合の政策は自民党と共通する部分が多い」という話が出たと相原が懇談後に明かした。

原発政策など連合と野党との協議でもなかなかまとまらない政策があり、また国策と一にする企業の組合は野党の政策とぶつかる場合がある。今までも幾度となく旧同盟系の民間労組を中心に電力、電気、自動車、JR、UAゼンセン(主に、繊維・衣料、医薬・化粧品、化学・エネルギー、窯業・建材、食品、流通、印刷、レジャー・サービス、福祉・医療産業、派遣業・業務請負業など多岐にわたるサービス業)は野党に注文を付けてきたし、4年前に希望の党騒動で立憲民主党と国民民主党に分かれたときから両党を支援する連合の苦悩は続いている。

★野党関係者が言う。「今回も下村が連合に秋波を送った形だが、実は水面下で自民党と旧同盟系、つまり連合右派は協力関係を確立する準備を進めている。1つは国民民主党が伸び悩み、直近の衆院選挙のみならず来年の参院選挙に活路が見えないこと。連合内もいわゆる旧総評系の官公労などが立憲との関係を強化したこと。つまりこのままでは組織の衰退につながるという危機感から連合傘下から抜けて自民党と組んだ方が現実的との思いがある」。ただ、それでは労働組合とは言えず第2経団連を作ることにもなりかねないし、連合を外れることで産別の組織が持つのかどうかなど、かじを切るには相当の覚悟が必要だ。連合は分裂の局面を迎えるのか。(K)※敬称略