(政界地獄耳) なぜすぐに国会開くと言わないのか - 日刊スポーツ(2021年1月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101050000112.html

★首相・菅義偉は年頭会見でコロナ対応について、緊急事態宣言に触れ「限定的、集中的に行うことが効果的」と説明したが、相変わらず中途半端な印象でコロナ禍制圧を目的としているのだろうかと思ってしまう。経済を動かすという呪縛に取りつかれ、物事を解決してから次に向かうというメリハリがない。これが菅の言う「仕事」なのだろうか。

★首相周辺は首都圏の1都3県に1カ月程度の「緊急事態宣言の再発令」をイメージしているようだが、小中高校を対象にした一斉休校の要請は行わない。劇場や映画館などは入場制限の対象に含めない。今月16、17日に第1日程が予定されている大学入学共通テストについても、文科省は「緊急事態宣言が出ても、感染者が今以上に増えても、共通テストは必ずやる」と強気の対応。一方、Go To トラベルは「地域を絞り込むなどした部分的な再開も当面困難」(経済再生担当相・西村康稔)とさすがに観念した模様だ。

★結局政府は限定的、集中的というものの、飲食店の時短営業だけを目的としたのではないか。厚労省は4日、昨年の解雇や雇い止め7万9608人のうち、アルバイトやパートなど非正規労働者が少なくとも3万8000人を占めると発表。この中に飲食関係者が多くいることは容易に想像がつく。今後も増えるだろう。しかし、それは防ぐことができた解雇だ。昨年の春から特措法の審議要求は野党や自治体の首長が訴えてきたこと。2月中旬をめどにまとめるというが、なぜすぐに国会を開くと言わないのか。ネットでは今回の緊急事態宣言に素直に応ずる人は少ないのではという声がある。医療関係者のSOSの声も聞かなかったのは政府首脳だった。(K)※敬称略

 【ノーカット】菅首相、首都圏に緊急宣言検討「強いメッセージ必要」 GoTo、再開難しい


【ノーカット】菅首相、首都圏に緊急宣言検討「強いメッセージ必要」 GoTo、再開難しい