(政界地獄耳) 首相否定も消えない早期解散説 - 日刊スポーツ(2021年3月20日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202103200000192.html

★首相・菅義偉は18日夜、首都圏に出している緊急事態宣言の解除表明をした会見で解散時期について言及。「訪米後解散だとか、まったく解散については考えていません。9月までが任期だから、その中で考えていく。とにかく優先すべきはコロナの収束。収束をしっかりさせるのが私の責務と思っている」と発言した。政界ではこの発言から首相が解散時期をいつに想定しているかを探ろうとする。

★額面通り受け止めれば早期解散は否定されたと考えるべきだろうが、コロナ収束が最優先ならば解除表明する理屈と合わない。首相の腹は別にあるとみる向きが多い。同日、党政調会長下村博文は講演で「(訪米が)内閣支持率にも多分プラスになる。その時にということは可能性としてはある。追い込まれ解散という構図はつくりたくない」と早期解散もあり得ると指摘。「7月4日投開票の都議選と一緒ということも頭の隅にあるかもしれない」と予測した。

★また、4月9日の訪米前の解散も模索されている。「せっかく立憲民主党がこれだけ荒れた国会を空転させることなく審議に協力的なのだから、利用しない手はない。年度内に予算成立となるので4月に入り、すぐ解散は可能。首相訪米中でも選挙は可能。逆に遊説でぼろを出すより首相不在の方が有権者の反応もいいのではないか」(自民党ベテラン議員)と選挙中の“菅隠し”まで提唱する。確かにコロナ禍で遊説はしにくいならば逆手に取ろうという作戦か。来月25日の衆参補選にぶつけるか、5月中というプランもあるかもしれない。

★別の自民党議員は4月21日の前か後かが悩ましいという。「公職選挙法第143条第16項及び第19項の規定で任期満了の6カ月前、つまり来月21日以降は個人の政治活動用ポスターが張れなくなり、いわゆる2連ポスターしか使えなくなる。党内では首相との2連よりもワクチン相・河野太郎の人気があるらしい」。さあどうなるか。(K)※敬称略