(地獄耳) 大義なき成果なきギリギリの「2月選挙」- 日刊スポーツ(2020年11月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011120000095.html

★どうやら、一部で言われている来年年明けの通常国会冒頭解散はアドバルーン(観測気球)で、いつ国会を開くかにもよるが、施政方針演説から始まり、たぶん1月の22日ぐらいまでに第3次補正予算案を成立させた上での「2月選挙」を、政権は想定しているのではないか。この補正は新型コロナの感染拡大防止に加え国土強靱(きょうじん)化の推進を経済対策の柱に据えるとし、来年度の当初予算案と一体的に編成した「15カ月予算」として、切れ目のない対策を講じることを目的にしたものではないのか。解散・総選挙のために1カ月ほど遅れる本年度本予算の成立が遅れても、滞りのない対応にする。加えて選挙前の業界への配慮も怠らないということだろう。予算規模は10兆円を超える模様だ。

★そこまでの工程は分かったが、不透明なコロナ禍の状況もさることながら、この選挙の大義は何か。自民党はいつものように大義は後からついてくる、それよりも勝てる時にやるのが選挙だとばかりに、首相・菅義偉に就任直後から、即解散を進言し続けてきた。しかし首相はコロナ対策を最優先し、仕事をしてからでないと解散できない。仕事をさせてほしいと言って国民を味方につけ、選挙時期を官邸主導に引き戻そうとしてきた。

★ところが、国会を開いてみれば、日本学術会議任命拒否問題をはじめ、官邸がつくった案件ばかりで首相は立ち往生。世論調査の高支持率は、調査するたびに下がりつつある。与党からみれば2月に選挙するのがぎりぎりなのだ。仕事の成果、結果は何か。はんこを廃止して業界から猛反発を食らい、携帯電話料金の値下げが成果なのか。大義なき、成果なき選挙の結果はどうなるのか。(K)※敬称略