【政界地獄耳】岸田文雄の政治オンチが招いた経済再生相・山際大志郎“更迭”- 日刊スポーツ(2022年10月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202210260000042.html

★24日、首相・岸田文雄は経済再生相・山際大志郎“更迭”について「『自らの政治行動に関連して、経済対策、補正予算をはじめとする国会審議に支障を来す、滞りを生じるということは本意ではない。よって職を辞したい』という申し出があった。総理大臣としては、経済対策、補正予算、さらには旧統一教会問題に関する被害者救済・再発防止といった重要な課題に専念する、最優先にするということから、この申し出を了とすることを決断した」と説明した。

★更迭の数時間前、参院予算委員会の集中審議で「山際を更迭するのか」と野党議員に問われた岸田は「そういったことは全くありません」と答弁。かばい続けたものの、予算委員会の最中には「山際辞任」「山際更迭」情報が国会内に走った。19日の参院予算委員会では山際が7月の参院選応援の際に「政府は野党の話を聞かない」と発言したことについて「とんでもない発言」と発言している。遅すぎた更迭と多くのメディアが指摘しているが、この「とんでもない発言」の段階で更迭すべきだった。その後、旧統一教会問題が内閣改造人事に大きな影響を与えている時に山際の留任を山際が属する麻生派の副総裁・麻生太郎や前幹事長・甘利明から強く推された時に押し返すべきだったのではないか。

★「あの段階では参院選挙で勝っていたし、首相は旧統一教会問題がここまで大きくなると思っていなかったのではないか」(自民党幹部)。官邸は予算のめどが立った段階、つまり年末に辞表を受理しようとしていたようだ。だがメディアの指摘で教会との関係が次々と明るみに出るありさまにもう持たないとみたのだろう。いずれにせよ、更迭のチャンス、留任させないなどチャンスはいくらでもあった。問題は政治判断が遅いという岸田の政治センスが大きく問われたということだ。お粗末の限りだ。(K)※敬称略