(政界地獄耳) 西村発言と選挙…ぎくしゃく閣内 - 日刊スポーツ(2020年10月27日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202010270000097.html

自民党関係者が言う。「こんなセンシティブな内容を簡単に発表する政治センスを疑う」「首相・菅義偉との関係がぎくしゃくしているのも当然だ」「首相がここまで不快感を見せるのも珍しい」と立て続けに批判の声が上がる。厳しい声にさらされているのはコロナ対策相・西村康稔。23日、政府は新型コロナウイルス感染症対策分科会(会長・尾身茂)を開き、帰省や初詣など年末年始のコロナ感染防止対策について官民で休暇の分散取得を進めるべきだとする専門家の提言をまとめた。

★来年は仕事始めの1月4日が月曜日のため三が日に初詣が集中する恐れがある。西村は「例えば12月25日くらいから1月11日まで休みを取るのも一案との意見もあった。(休暇の延長は)すべての業種でできるわけではないが、分散は基本だ」とした。また11日以降も分散休暇を奨励。「働き方改革のモデルケースになる」と胸を張り経済3団体にも協力を求めた。しかし官邸では来年年明けの通常国会冒頭解散を模索していることもあり、この西村発言が解散はなくなったというシグナルに聞こえたはずだ。

★「官邸は施政方針演説、代表質問を国会を新年早々開いて行い解散。投開票1月31日を考えている」(官邸関係者)。固まったわけではないが、本筋は3月中に予算案を可決させ速やかに行いたい。ただ公明党が7月の都議選とできる限り離したいと考えており、数少ない解散総選挙のチャンスとみて、動きだそうという時期に西村が1月11日まで休暇を取り、その後も分散休暇をと訴えれば、官邸は出ばなをくじかれることになる。経済3団体に金策を頼みながら仕事は休めと言い、その間に自分たちは選挙などとは言えないはずだ。なんとなく党と官邸、閣内もぎくしゃくしている。「この調子だと先が思いやられるが、選挙はどこかでやるのだから」(自民党ベテラン議員)。歯車はかみ合っていない。(K)※敬称略