(政界地獄耳) 結局、王道で攻めてこれない野党 - 日刊スポーツ(2019年7月15日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907150000196.html
http://archive.today/2019.07.15-021906/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907150000196.html

参院選挙は終盤戦を迎え、与野党の攻防もデッドヒートを繰り広げている。序盤、中盤で目まぐるしく順位が変わり予断を許さない選挙区もある。選挙前には一本化できるかとか、優勢な戦いといわれていた選挙区も、選挙戦が始まると与野党ともに戦闘モードになり熾烈(しれつ)な戦いを展開している。

★その一方、参院選挙全体に盛り上がりが欠けていることだ。ネットのニュースだけ見ていると激しい戦いに見えるが、選挙関係者以外は冷めているという現実がある。街宣活動がうるさいと感じる人もいれば、えっ選挙今やっているのとの反応が返ってくる場合もある。期日前投票も前回並みの出足だ。「そこで不安なのは投票率だ。雨の心配だけでなく、組織票以外に無関心層の動き次第で、与野党の勢いが変わりかねない。前回の投票率が54%、今回、それを下回るようなら与党にかなり有利に、上回り方が大きいほど野党に有利になる。つまり浮動票は野党に動くだろう」(ベテラン衆院議員)。

★別の自民党議員は「思ったより野党の攻撃が弱い。党名を間違えるなとかトンでも冊子はけしからんでは有権者は動かない。結局王道で攻めてこられないのではないか。決して自民党も極上の候補者ばかりではないが、これでは負けない」。強気な対応だが野党に対しては一理あるといえる。さてその激戦区だが東北6県、新潟、長野、山梨、三重、大分、沖縄は大接戦、または自民党の劣勢といえそうだ。与野党ともあと一押しすれば流れが変わる。投票率の行方といったところか。(K)※敬称略