(政界地獄耳) 日朝会談の筋書きはできている? - 日刊スポーツ(2019年5月11日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905110000108.html
http://archive.today/2019.05.11-013301/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201905110000108.html

★圧力路線一辺倒で批判し続けてきた相手に対して無条件会談を提示すれば当然、「経済制裁やめろ」といってくるだろう。日朝関係を動かそうと政府はなりふり構わない。2度にわたる短距離ミサイル発射も抗議どころか「飛翔(ひしょう)体」を連呼し過去も含めて「日本海沖に落下」も今回は「現時点で、わが国の安全保障に影響があるような事態は確認されていない」(9日、首相・安倍晋三)とあっさりしたものだ。これほど外交姿勢とは簡単に変わるものなのか。防衛相・岩屋毅は10日の会見で「短距離弾道ミサイルを発射したとみられる」と、推測するように述べたが、無条件にひれ伏していると捉える国民もいるのではないか。

★思い出すのは日ロ関係改善を促すために政府は戦後一貫して言い続けていた北方領土、すなわち歯舞群島色丹島国後島択捉島をわが国固有の領土と突然言わなくなったのと状況も経緯も似ている。まさに国民不在の目先の利益で歴史などどうにでも変わるの典型だ。結果、北方領土問題から4島返還の文字も消え、解決どころか距離は遠のいたというのが外交筋の見方だ。

★9日の参院内閣委員会で首相は「あくまでも拉致問題を解決する上で、私自身が金正恩と話をしなければならない」を繰り返す。政界関係者が衝撃の解説をする。「今回の官房長官菅義偉の訪米には拉致対事務局長・石川正一郎も同行しているという。先の日米首脳会談で、米トランプ大統領から日朝会談の筋書きを首相は聞かされているのではないか。菅訪米は既に実務協議の段階に入り始めていることの示唆ではないか」。トランプが日朝会談を取り計らってくれるので高い武器を大量に購入。仮想敵だった北朝鮮の挑発には文句も言わないで「飛翔体」で我慢。でもその購入した武器は北朝鮮に向く。これでは武器商人との取引で外交とは言わない。(K)※敬称略

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http://archive.today/2019.05.10-115643/https://www.asahi.com/articles/ASM5B557ZM5BUTFK010.html