http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018120102000146.html
https://megalodon.jp/2018-1201-0904-26/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201812/CK2018120102000146.html
「今すぐ、どうしても導入しないといけないのか」
急増する米国製兵器の輸入問題を取材していると、自衛隊の現役やOBからそんな声をよく聞く。特に俎上(そじょう)に載るのが地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」だ。
二基で二千三百五十二億円。「どっさりミサイルが飛んできたら、全部を撃ち落とすのは難しい」「あった方がいいとは思うが、費用に見合った効果はあるのか」。議論は尽きないのに早々と導入を決めた。
政府が検討を進める護衛艦「いずも」の事実上の空母化も、論点は専守防衛からの逸脱だけではない。
「人員や搭載機だけでなく、空母を守る艦船の態勢も必要になる。予算が多少増えたとしても、それで賄えるのか。現実的とは思えない」。ある自衛官はそう言って眉をひそめた。
戦闘機の部品不足を別の機の部品で補う「共食い整備」など、現場は日々の活動で四苦八苦。アショアが話題になると、「二千億円あればもっと手当てができるのに」との思いがにじむ。
五兆円を突破して膨張する兵器ローン。岩屋防衛相も三十日の会見で「有り体に申し上げると、やりくりが大変」と認めた。優先順位はきちんと付いているのか。政府と現場のちぐはぐ感が拭えない。 (原昌志)