(政界地獄耳)政府憂う?秋篠宮さま発言 - 日刊スポーツ(2018年12月1日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812010000124.html
http://archive.today/2018.12.01-004423/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812010000124.html

★11月30日、秋篠宮さまは53歳の誕生日を迎えられた。これに先立ち、同妃紀子さまと宮邸で会見に応じた。テレビ局は結婚を延期している長女眞子さまと小室圭さんの今後について、「(小室さんは)それ相応の対応をすべき」と厳しい見解を示したことばかりを報道しているが、皇太子さまが即位後に臨む大嘗祭(だいじょうさい)への公費支出について「(手元金の)内廷会計で行うべきだ」と異議を唱え、「身の丈に合った儀式」とするのが本来の姿ではないかとの考えを示した。

★加えてこうした考えは宮内庁の山本信一郎長官らに伝えたが「話を聞く耳を持たなかったことは非常に残念だった」と述べた。代替わりの重要祭祀(さいし)「大嘗祭」は宗教的色合いが強く、「平成のときの大嘗祭のときにもそうするべきではないという立場だった」と秋篠宮さまが述べているように、公費である皇室の宮廷費から支出することに対し、憲法政教分離原則に抵触するのではないかといわれ、憲法違反ではないかという裁判も起こされた。当時の費用は総額で約22億5000万円に上った。

★山本長官は会見で「聞く耳を持たない」という厳しい発言について「私もつらいがそう受け止められたのであれば申し訳ない」と的外れな答えを、30日の会見で西村康稔官房副長官は「あくまでも殿下ご自身のお考えを述べられたものと理解している。改めて何らかの対応を取ることは考えていない」と無視することを決めた。秋篠宮さまのみならず今上天皇は戦後、天皇は象徴になったことで、象徴天皇とは何かを模索してきた。国民の思いと乖離(かいり)せぬよう努めてきた皇族が憲法について慎重かつ深く洞察しているということを述べているのに対して、宮内庁や政府は決まったことを守ればいいと国民との議論を避けていることに問題を提起したと受け止める。憲法論を避けた、いやこの議論をリードすることができない政府に憂いをお持ちなのではないか。(K)※敬称略