(政界地獄耳)「憲法改正」首相のレームダック化 - 日刊スポーツ(2018年10月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201810220000219.html
http://archive.today/2018.10.22-011135/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201810220000219.html

★24日の国会開会前に与野党協調路線で進めてきた自民党憲法審査会のメンバーが一新され、新たに任命された自民党憲法改正推進本部長・下村博文は早速、公明党憲法調査会長・北側一雄に「憲法審査会を定期的に開けるよう、協力をいただきたい」と要請した。自民党内には首相・安倍晋三が強く憲法改正を望んでいることから「与野党の協調路線ではいつまでたっても議論ばかりで前に進まない」という強硬論がある。

★しかし、自民党が長年、野党と丁寧に議論を続けてきた憲法調査会の面々は一新され、憲法改正の意義や内容、本質などの知識の乏しい顔ぶれに代わったことは、憲法議論ではなく「いいからやれ」を強いてくるのではないかと野党や自民党内の穏健派は警戒する。「それでなくとも消費税議論も今後紛糾しそうで憲法論議が進むどころか国民の関心事ではなくなっていく。強引に進めるやり方は首相の私欲以外に理由が見当たらない。首相はかねがね『静かで落ち着いた環境での国民的議論が必要』としていたことからも反するのではないか」(自民党中堅議員)。

自民党内の声をまとめると「公明党参院選前に何を言っているのかという調子」「総裁選挙が終わって首相支持者の改憲論者への顔もあるだろうから今は党内も自由にしゃべらせているという感じ」「総裁派閥の細田派はポスト安倍とのにらみ合いに持ち込もうとしている。どの派閥も自分のところだけじゃ通らないのだから『わかってるよね』といった意味でゴリゴリ来ている」というような空気のようだが、ある幹部は「(自民党案の)国会提出までだ。発議まではないだろう」との見方を示した。どうやら自民党内の攻防が先行しているようだが一方で、首相のレームダック化が進んでいるように見える。流れは速い。(K)※敬称略