(政界地獄耳)憲法改正かみあわない - 日刊スポーツ(2018年5月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805050000214.html
http://archive.today/2018.05.05-010329/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805050000214.html

憲法改正の機運は、首相・安倍晋三とその周辺だけのものになりつつあるようだ。昨年の憲法記念日に、首相が自衛隊明記と20年の改正憲法施行を目指すと発言したものの、自民党内の議論は低調。若手は会合にも出席しない。その最大の理由は、憲法議論をきちんと勉強している議員が少ないこと。憲法問題をライフワークにしてきた議員や法曹界出身の議員らの議論に付いていけず、ベテラン議員とかみ合わない。
★また、強い改正論者もごく少数で、首相が言うような改正の機運が高まったり、議論が深まっているどころか、自民党内に改正への熱気はない。これで他の法案と同様、委員会から上がってきた法案を本会議で可決するだけになりかねない。それを党が強引に取りまとめるだけ。個々の議員にそこまでの意欲はなく、改憲賛成程度の熱量だ。
自民党憲法改正推進本部長代行・船田元は、党内随一の憲法問題の専門家だが、3日のテレビ番組で来年夏の参院選について「改憲勢力が3分の2を取れるかは赤信号に近い状況だ」と吐露。国民投票に進んだとしても「より多くの政党の支持を得ないと極めて厳しい」と、今の政局から参院選を楽観視できないとの見方を示した。
★また連立を組む公明党憲法調査会事務局長・遠山清彦も、自民党憲法9条の2の素案を軸に「国民投票で否決されるリスクも考慮せざるを得ない。もちろん、否決されても直ちに自衛隊違憲になるわけではないが、万が一否決された時には、日本の安全保障に与える影響は大変大きいわけだから、これを避けなければいけない」と、責任与党としてのリスクに触れている。そうなると期待されるのが、自民党にすり寄りたい国民民主党が頼り。こちらもさして、本格的な憲法議論に耐えられる議員は少ない。船田や遠山に言いたい。あまりよく分からなかったり、興味のない人たちの賛成で決まる改憲リスクも考慮すべきだ。(K)※敬称略

関連サイト)
憲法9条改悪素案 3/25自民党大会で確認されるも発表できず) - 石川県平和運動センター(2018年3月25日)
https://i-peace-ishikawa.com/2018/03/25/%E6%86%B2%E6%B3%95%EF%BC%99%E6%9D%A1%E6%94%B9%E6%82%AA%E6%A1%88%EF%BC%81%EF%BC%883-25%E8%87%AA%E6%B0%91%E5%85%9A%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E6%8F%90%E5%87%BA%E6%A1%88%EF%BC%89/