https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201810150000159.html
http://archive.today/2018.10.15-005503/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201810150000159.html
★共産党の理論政治誌「前衛」11月号は「野党共闘で安倍政権を打倒する」というタイトルで、立憲民主党・辻元清美、国民民主党・泉健太、無所属の会・広田一、共産党・穀田恵二の各国対委員長(国民は現在原口一博)の座談会が展開されている。加えて座談会後の人事で幹事長になった平野博文のメッセージまでが、ご丁寧に掲載されている。先の国会での野党共闘のかたちがいかに深まったか、野党第1党が仕切るだけでなく、知恵とプランと戦略を持ち寄り、個々の政党が助けあいながら、また切磋琢磨(せっさたくま)して共闘を作り上げたとする記事だが、共産党の機関誌に各党国対委員長が登場するのも画期的かつ異例だ。
★また記事の中身もいささかリップサービスが過ぎるといっては厳しいかもしれないが、それぞれをたたえ合い、平野に至っては「穀田委員長とこれだけ意見が合うかという驚き」と歯の浮くようなセリフが続く。無論、この異例な国対政治は安倍政権が異例ずくめの対応をした対抗措置であるし、当時は衆院と参院で野党第1党が立憲と国民に分かれていたという事情もある。いずれも信頼関係の醸造は、国対の信頼関係からうまくいっているというアピールだろう。
★それは結構だが、国対とは時には与党とすり合わせもする離れ業も必要となる国会を円滑に動かす裏の仕事だ。その苦労話が絆になるのは結構だが、「前衛」という舞台に各党がお付き合いしたということはないのか。当然、国会内では野党党首会談、幹事長会談なども開かれる。それならば、そろそろ政策担当者座談会を開く段階なのではないか。それも共産党機関紙・誌を舞台にするだけでなく、各党の機関紙に各党が相互乗り入れしていくぐらいの覚悟が必要な時期ではないのか。野党各党は「これはのろしの第1段階」というだろうが、それを畳みかけていかなければ国民が野党共闘を信頼しない。野党各党の知恵の絞りどころだ。(K)※敬称略