http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018101502000130.html
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国内最大の原子力研究機関「日本原子力研究開発機構」が各地に保有する原子力関連の七十九施設のうち、青森、茨城、岡山三県にある十施設の廃止に伴う「解体費」を約百八十億円と試算していたことが十四日、分かった。機構は、原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す東海再処理施設(茨城県)など廃止が決まった大規模施設については解体費を含む廃止費用を公表済みだが、より小規模な施設の廃止関連費用も巨額に上ることが判明した。
機構は国の交付金で運営され、解体費は国民負担となる。十施設は、放射線漏れ事故を起こした原子力船むつに関する研究開発や核燃料製造に必要な技術開発を行い、既に廃止方針が決定。廃止完了には、施設の解体費に加え、放射性廃棄物をドラム缶に詰めるなどの準備作業でかかる「処理費」や、実際に処分場に埋設する際の「処分費」も必要となる。昨年の法改正で、原子力事業者は年末までに施設の廃止費用などの公表を義務付けられており、機構が精査を進めているが、七十九施設で数兆円規模になる可能性もある。七十九施設の半数程度は廃止方針が決まっている。
解体費が判明したのは、全国五つの研究拠点にある計十施設。内訳は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料の製造技術を開発するなどした核燃料サイクル工学研究所(茨城県)の二施設が約六十六億円、原子力科学研究所(同)の研究用原子炉など四施設が五十四億円、核燃料製造に必要なウラン濃縮技術を開発した人形峠環境技術センター(岡山県)の二施設が約二十三億円、青森研究開発センター(青森県)の一施設が約三十二億円、大洗研究所(茨城県)の一施設が約七億円だった。
一方、東海再処理施設の廃止費用は作業完了までの約七十年間で約一兆円と試算している。高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)は政府試算では、廃止までの施設維持費を含め約三千七百五十億円。