(政界地獄耳)安倍3選なら反主流派生まれる火種 - 日刊スポーツ(2018年8月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201808280000208.html
http://archive.today/2018.08.28-043236/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201808280000208.html

自民党総裁選挙の情報戦も多勢に無勢で、首相・安倍晋三陣営の情報コントロールにメディアもまんまと乗っている状況だ。既に議員票405票のうち330票まで安倍陣営は固めたとし、石破陣営は50票に届かない情勢という。これを見せられた地方の自民党員はバンドワゴン効果(勝ち馬効果)が働いて地滑り的に安倍に流れるという算段だ。
★元幹事長・石破茂が掲げた「正直、公正」に個人攻撃だと難癖をつけた参院幹事長・吉田博美の言う「相手を攻撃するというような個人的なことでの攻撃ということについて嫌悪感を感じている」は出来の悪い模範解答のようなもの。「反安倍では支持できない」を演出したものだが、石破の出馬会見が野党の政権批判のようだったことを拡散させている。だが先の国会での首相とその周辺のしてきたことを吉田が認めてむきになった自爆のようなものだが、この吉田発言に賛同したという形で石破支持が首相派に寝返る口実にした。衆院議長からも先の国会対応の総括を求められている中で勝てば官軍ということなのだろうか。
★一方、安倍に冷や飯を食わされているベテラン・中堅議員も一部に安倍への反発を募らせる。「例の『反対派は干される』発言は彼らに火をつけた格好になる。今は安倍陣営対石破本人の戦いだが今後公然と石破支持を打ち出す議員が出てくるのではないか。その裾野は広いが、石破がこの路線で戦い続けることが条件だ」(ベテラン衆院議員)。堂々と干されてやると宣言する議員が生まれるということは、安倍1強のオール主流体制から反主流派が生まれることを意味する。これは今までの安倍政権にはなかった現象。安倍3選後、ひとたび何か起これば「干された側」は厳しい政権批判を展開するだろう。その芽を生むことが3選に付随する火種になる。(K)※敬称略