(政界地獄耳) 自民党と日本の再生は安倍政治の否定 - (2019年6月22日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201906220000107.html
http://archive.today/2019.06.22-005315/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201906220000107.html

20日自民党無派閥議員が勉強会を開き、官房長官菅義偉が講演した。党内では菅に近い議員たちの「派閥的動き」とみられている。名称も「令和の会」。ポスト安倍の筆頭格に上がった菅の支持母体の核になるとみられている。一方、党政調会長岸田文雄はさまざまなチャンネルからのポスト安倍の打診に浮かぬ顔だという。

★その真意を探るとある中堅議員が解説する。「野党が攻撃する年金2000万円問題、10月からの消費税アップ、そのほかにもアベノミクスの成果を維持したり、守るためにつじつまの合わないデータや報告が発表されなかったり、遅らせての公開だったりと政権はやり放題だが、来年のオリンピック後、日本の景気後退は避けられないと素人でも感じている。その粉飾政治のあとを引き継ぐポスト安倍にはどんなメリットがあるのか。日本の首相になっても結局、安倍政権の経済政策の失敗とごまかしの責任を一気に背負わなくてはならない」。

★つまりポスト安倍とは安倍政治の継承者でありながら結果、安倍政権の責任を取る首相になるだけだ。安倍政治を批判している元幹事長・石破茂に後継を頼める者はいない。安倍政治を否定することを自民党は認められないだろう。菅や岸田は次をやれと言われても、もう少し安倍政権が続いて安倍政権の経済失策の責任まで安倍自身で取ってほしいと考えるはずだし、少なくとも2人の側近たちは首相の座が転がり込んだとしても次を担うのは短命政権になると懸念を持つだろう。

★次をやれるから首相になるというより、万全の態勢で政権を作りたいと思うのは当然だ。つまり自民党内で安倍長期政権の弊害が公然とささやかれ始めたということだ。自民党と日本の再生は安倍政治の否定とはきつい皮肉だ。(K)※敬称略