<南風>貧困からの脱出 - 琉球新報(2018年8月21日)

https://ryukyushimpo.jp/hae/entry-786478.html
http://archive.today/2018.08.22-001750/https://ryukyushimpo.jp/hae/entry-786478.html

「子どもの貧困」が今社会問題となっている。
沖縄県内には100を超える子ども食堂がある。子ども食堂とは子どもの貧困対策の一環で、子どもたちに無料で食事を提供している施設だ。貧困家庭の子どもの食を支える施設として、とても重要な役割を担っている。しかし、ただ子どもにごはんを与えるだけでは無料でごはんを食べることが当たり前になってしまい、いつまでたっても貧困問題は解決しない。長い目で見て、彼らに必要なのは貧困から脱出する力や方法なのだ。
実際にRyukyufrogsのOBで貧困家庭の高校生が選ばれたことがある。彼は高校生にもかかわらずバイトを三つも掛け持ちし、家計を支えていた。特に将来の目標もなく学校に通い、勉強する意義がわからなかったそうだ。Ryukyufrogsでの活動を通して彼は自分が動けば周りの世界がガラリと変わる、ということを学んだ。 活動終了後高校を休学し、英語とプログラミングの留学をした。その留学資金も全てクラウドファンディングで集めた。留学先ではハングリー精神で英語とプログラミングを鍛え、インターンシップをすることで社会人の経験もして帰国した。すると自分の目指すところに向けての勉強が楽しくなり、今は大学で工学を学んでいる。
Ryukyufrogsというプログラムは気づきを与えるプログラムである。いろいろなチャンスはこちらである程度用意するがそれをつかむか、つかまないかは自分次第。「自分の家はお金がないから何もできない」ではなく、自分が行動することで周りを巻き込み、周りの人々の力を借りながら今の状況を変えていく。そういった行動力や巻き込む力をつけることで少しでも貧困から脱出する子どもたちが増えてほしいと願う。
(畑中ひらり、株式会社FROGS取締役)