<金口木舌>散歩道の途中にある学校の石塀に県教育庁の告知が張られているの・・・ - 琉球新報(2018年8月22日)

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散歩道の途中にある学校の石塀に県教育庁の告知が張られているのに気付いた。「この塀は、安全対策が必要であることが分かりました。塀の側を通る時は、ご注意を願います」と書いてある

▼頑丈な塀に見えたが、教育庁の採点は不合格だったようだ。「地震の時はこの塀から離れて下さい」ともあり、ちょっと怖くなった。大きな地震が襲ったときは間に合いそうにない
文部科学省の調査によると、安全性に問題があるブロック塀を抱える学校の割合が最も高いのは沖縄の52・6%だった。県内学校の約6割にブロック塀があり、その9割が「問題あり」という
▼学校の安全対策を採点すれば、県内の学校は合格点をもらえない。沖縄では安価で工事が容易なブロック塀を多用する傾向にあり、違法ブロックもまん延しているという。塀の強度を後回しにしたつけが児童生徒に回ってきた
▼こちらは沖縄戦のつけといえよう。天妃小学校の校庭で米国製の5インチ艦砲弾が見つかった。校門には「ふはつだん(ばくだん)がみつかりました! あぶないのではいらないで!」の警告文。部活動もできず、児童は困っていよう
▼戦後、那覇市役所が置かれたこともあるこの地に天妃小学校が開校したのは1966年。児童や職員は半世紀余も不発弾と同居していたわけだ。怖いことだが、それが戦後73年の沖縄の姿でもある。