<南風>子どもについて考える - 琉球新報(2019年5月20日)

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子どもが好きです。大人も好きですが、子どもは発想力が豊かで、遊んだり、話をしていて面白い人が多いです。
子育てを手伝ってほしい大人はたくさんいます。子育て中の友人や家族の誕生日のプレゼントに「子ども預かり券」を渡すと間違いなく喜ばれます。
私自身、自分でも子どもを産み育ててみたいという気持ちもあります。働いて貯金ができたら、子どもを産むと決めていました。おばあちゃんたちがよく言う「結婚しなくてもいいから子どもを産みなさい」という冗談の実践編です。
31歳から計画を始動。わが家にいるのは生物学的女性2人。そこで生物学的男性の力が必要になります。友人男性の協力を得て、通販でセルフ人工授精用のシリンジを購入し、毎月試みました。なかなか授かることができません。1年過ぎた頃から不妊治療のために病院に通い、今3回目の人工授精にチャレンジ中です。
授かりたいという気持ちの一方、不安もあります。まだ女性二人親の子育ても珍しいでしょう。法律的には未婚の母となります。
シングルで子育てをしている友人たちの話を聞くと、厳しい状況の中、仕事に子育てを頑張っている様子がうかがえます。徐々に解消されつつありますが、未婚のシングルへの制度的差別も続いています。
子どもが増えれば社会全体が益を得るにもかかわらず、子を産み、育てることは個人の責任とする国の姿勢、世間の見方がまだまだ根強い気がします。
一方、仕事柄、子どもの居場所を作っている大人たちと出会うのですが、話を聞くととても勇気をいただきます。みんなで子を育てようという熱い思いを感じるからです。産み育てやすく、全ての子どもたちがのびのびと生きられる社会のために自分ができることはなんだろうと考える日々です。(玉城福子、大学非常勤講師)