(政界地獄耳)黒い霧解散?喜ぶのは国民民主党だけ - (2018年4月26日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804260000172.html
http://archive.today/2018.04.26-004906/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804260000172.html

★「困ったら解散だ」がまかり通るなら半年に1度解散してみたらいい。自民党国対委員長森山裕は野党が内閣不信任決議案を提出した場合の対応について「出されれば解散も内閣の1つの選択肢だろう」と野党をけん制した。また首相・安倍晋三も「あらゆる選択肢、あらゆる行動なども頭に入れながら、とにかく政治の停滞がないようしっかり取り組んでいきたい」と思わせぶりな対応をした。いずれも国会空転のいらだちが背景にあるのだろう。
★一方、同党幹事長・二階俊博は「幹事長の知らない解散があるわけがない。誰が言っているか知らないが、やるならやればいい」と強い不快感を示した。二階にとってはこんな状態で選挙に突入されては幹事長としてたまらないという思いだろう。この段階で表面的な解散風を吹かしたところで自民党はどんな選挙にしようというのか。「安倍首相を支えて」「女性活躍を支援します」と全国で自民党候補が叫ぶのだろうか。選挙後に森友・加計学園疑惑、財務省公文書改ざん問題、財務省次官セクハラ問題、厚労省データ捏造(ねつぞう)問題、防衛省日報問題、同省3等空佐暴言問題など何ひとつ解決しておらず、手つかずで残ったままだ。ただ選挙で与党が過半数を超せば安倍再選にならざるを得ず、森友・加計疑惑は今までは首相と夫人、官邸の側近議員や側近官僚だけが関わる事件だったが、安倍再選によって安倍を信任した自民党全体の事件になる覚悟が必要だろう。
★解散風で喜ぶのは第2自民党として発足した連合主導で神津新党と名乗るのかと思われた国民民主党だ。今解散しても半年前の落選者が多い分、議席を増やす可能性を秘めるのと、新党の売り出しに解散はもってこいと思っているだろう。なるほどそこが第2自民党といわれるゆえんか。(K)※敬称略