(政界地獄耳)政治が信用取り戻すには「首相交代しか」 - 日刊スポーツ(2018年4月27日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804270000250.html
http://archive.today/2018.04.27-005932/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201804270000250.html

★25日朝、自民党国対委員長森山裕は「解散も1つの選択肢」と野党をけん制したが、もし解散すればそのネーミングは「セクハラ解散」「改ざん総選挙」になるだろう。自民党幹部は「連休中の自民党独自の世論調査の実施」を示唆したが、これも解散含みだとのブラフ(はったり)にすぎない。今の自民党に解散できるだけの力はあるのか、自民党支持者の評価や女性支持者の評価はどうかなど、解散できる環境が整ったかを調べることになるだろう。
★黒い霧解散というが、1966年当時の自民党の黒い霧は、複合的な複数の事件が政界を覆い、解散してリセットしたものだ。今回の騒動の大半は、首相夫妻が軸。いずれも首相・安倍晋三が遠因とみられる交友関係や、首相側近の官僚たちが政権維持のために法を犯してまで守ろうとした、順法精神なき官僚の暴走と強引な政治がもたらしたものだ。それに自民・公明全体が巻き込まれることになる。財務省の公文書改ざんや森友学園口裏合わせ疑惑、防衛省日報隠蔽(いんぺい)、厚労省データ改ざん問題などは、政権の思惑や政権維持のために官僚が動いた結果といえる。
★つまり選挙後にリセットはできない。野党の国会空転を批判する向きがあるが、政府が「調査中」という時間稼ぎをしている限り、その説明責任は政府にあり、出してこない限り審議に応じられないという野党の言い分には、一定の説得力がある。森山は鹿児島選出議員だが、その他の自民党議員が鹿児島の県紙、南日本新聞23日付でコメントしている。
★鹿児島3区・小里泰弘は「真相究明を果たして(政府側は)国民に納得のいく説明が必要だ」。鹿児島2区・金子万寿夫は「森友・加計問題の発覚時に(政権側が事実上の)答弁拒否をしたのが失敗だった」。参院比例・園田修光は「国民からの疑念を持たれた問題は、認めるべきは正直に認めればいい」。参院鹿児島選挙区・野村哲郎は会合で「国会日程は真っ暗闇の状態。今日は安倍首相のことは言わないが、皆さん方と気持ちは一緒だ」とした。取材に応えて「このままでは来年の参院選は戦えない」とし、「政治が信用を取り戻すには、首相が交代するしかない」と結んでいる。世論調査の必要はなさそうだ。(K)※敬称略