音楽通じた教育プログラム創設のアブレウ氏が死去 ベネズエラ - NHKニュース(2018年3月26日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180326/k10011379081000.html

音楽を通じて子どもたちの社会性を育み、東日本大震災の被災地の復興支援にも役立てられた教育プログラムを立ち上げた、南米ベネズエラの経済学者のアブレウ氏が死去し、追悼式にはマドゥーロ大統領も参加してその功績をたたえました。

オーケストラや合唱などを一緒に楽しむことで子どもたちの社会性を育む教育システム「エル・システマ」は、およそ40年前に創設され、日本を含む世界50か国以上に広がっています。

エル・システマ」を立ち上げたベネズエラの経済学者で、文化相を務めた経験もある、ホセ・アントニオ・アブレウ氏が78歳で死去し、25日に首都カラカスで追悼式典が開かれました。

式典にはマドゥーロ大統領も参加し「彼の死去は大変悲しいが、大きな業績を残してくれた」と述べ、参列者たちは拍手を送ってアブレウ氏の功績をたたえました。

エル・システマ」は東日本大震災の被災地の復興支援にも役立てられ、岩手県大槌町福島県相馬市では、プロの音楽家が子どもたちに楽器の演奏を教える取り組みが導入されています。

エル・システマジャパン」の菊川穣代表理事は、NHKの取材に対し「アブレウ氏が被災地のことを気にかけていたことを思い出します。彼の遺志を引き継ぎ、活動を続けていきたい」と話しています。

ベネズエラの奇跡:エル・システマ EL SISTEMA 2015