消費者契約も「18歳成人」 法改正案決定 悪質商法対策を強化 - 東京新聞(2018年3月2日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018030202000250.html
https://megalodon.jp/2018-0303-1008-53/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201803/CK2018030202000250.html

政府は二日、成人年齢を現行の二十歳から十八歳に引き下げる民法改正案に関連し、改正消費者契約法案を閣議決定した。十八、十九歳でも親の同意なく契約できることになるため、改正案は悪質商法対策を強化。不安をあおる商法や、恋愛感情を利用するデート商法など、「困惑する状況で結んだ契約」の取り消しを可能にする規定を盛り込んだ。今国会での成立を目指す。民法や関連法の改正案も、今後の閣議決定を経て今国会に提出される予定。
改正消費者契約法案は、若者が被害に遭いやすく、契約を取り消せる例として(1)就職活動中の学生の不安をあおって高額な講座を受講させる(2)容姿を指摘して不安にさせ、美容医療やエステの契約をさせる(3)恋愛感情を抱かせた相手に高額商品を購入させる−など、社会経験不足からつけ込まれやすい商法を想定。契約締結前に商品を切り分け「元に戻せない」として代金を請求したり、契約を断ると交通費を請求したりするといった例も「困惑する状況で結んだ契約」に含めた。
他にも、不動産会社が「日照良好」とうたって販売し、隣にマンションが建つなどの不利益事実を告げなかった場合、現行法は業者の故意を要件としていたが「注意欠如だが、ほぼ故意に近い」場合は重過失として解約できるようにした。
さらに、業者側が「弊社に過失があると認める場合を除き、キャンセルできない」など、責任の有無を不当に決める条項も無効にできるとした。

◆関連22法改正へ 旅券や資格取得に影響も
政府は、成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正案に合わせ、消費者契約法の改正案のほかに、関連法計二十二本の改正案を今国会に提出する予定だ。改正されないものも含め、「未成年」の語句を含む法律は数多く、生活や資格取得など各分野に影響がありそうだ。
成人年齢を引き下げても飲酒と喫煙のほか、競馬、競輪など公営ギャンブルの二十歳未満禁止は維持される。
未成年者飲酒禁止法」「未成年者喫煙禁止法」の法律名を改め、「二十歳未満」を明記。競馬など各法の条文も「未成年者」禁止を「二十歳未満」禁止と改める。
一方、有効期間十年のパスポートを取得できる年齢は、旅券法の改正により、現行の二十歳以上から十八歳以上になる。国籍法は、複数の国籍を持った時に二十歳未満なら二十二歳になるまでに一つの国籍を選択しなければならないと定めるが、二歳ずつ引き下げる方針だ。
行政書士司法書士公認会計士は各法で「未成年者」には資格がないとしているが、いずれも改正されない。このため、改正民法が成立、施行されれば、十八歳以上で資格を持てることになる。