https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170917-00020624-kana-l14
http://archive.is/2017.09.17-015632/https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170917-00020624-kana-l14
2校ある大磯町立中学校で給食の食べ残しが問題になっている。町議会の9月定例会でも取り上げられ、重量で換算して残った割合を示す「残食率」は26%と全国の小中学校の平均よりも3倍以上高い実態が明らかになった。毛髪や虫、金属片などの異物混入が約100件あったことも判明。食べ残しの多さについて町は、給食への不信感が一因とみている。
中学校での給食導入は中崎久雄町長の公約の一つで、2016年1月にスタート。町の栄養士が考案したメニューを県内の業者に委託し、大磯、国府両中学校に配送されるデリバリー方式を採用している。2校の計760人が対象で、保護者が毎月4900円の給食費を納め、町側も委託料として年間約3300万円を支払っている。
2校の給食容器を回収する業者の調査によると、残食率は1日平均26%で、多い日は55%にも上る。大磯中のPTA調べでも30〜50%で推移。15年度の環境省の調査では小中学校の平均は約6・9%、同じ業者に委託している愛川町立中学3校の平均も約10%と、大磯町の数字は際立つ。
国府中では、おかずを完食したのは31人クラスで1人という日も。食べ残しは廃棄されているという。
町教育委員会が要因の一つとして、過去の異物混入を挙げる。給食が始まった16年1月からことし7月11日まで96件あり、髪の毛や糸くず、ハエ、金属片、メニュー以外の食材などが見つかった。町教委は「生徒が気にして給食の中身を確認するようになった。(信頼回復へ)最善の努力は尽くしている」と説明、業者側に再発防止に努めるよう改善を促すなどしている。
さらに、町教委はデリバリー方式ならではの特性が理由ともみている。食中毒防止のために調理後30分以内に20度以下に冷やして配送されるが、学校関係者は「味付けが大人向け」とした上で「子どもが冷たいと感じてしまうのでは」と話す。
一方、町教委が7月に生徒や保護者を対象に実施したアンケートからは、思春期ならではの心情も浮かび上がる。近年の糖質制限ダイエットを意識した声のほか、「教室内で『給食嫌い』の声が強く、心情的に食べられる雰囲気がない」と周囲に合わせざるを得ないという意見も聞かれた。
食べられるのに残す「食品ロス」削減が叫ばれるなか、町は改善に本腰を入れる。異物混入の根絶はもちろん、主食がパンになる日を設けたほか、野菜を使った温かい汁物も提供する予定だ。さらに、家庭で作った弁当との「選択制」も検討するという。
野島健二教育長は「残食率を下げるためにもできることはどんどんやっていき、子どもたちの意見が目に映るよう変化させていきたい」と強調した。