災害時に多言語で外国人支援 太田市が通訳ボランティアを養成:群馬 - 東京新聞(2017年1月23日)


http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201701/CK2017012302000177.html
http://megalodon.jp/2017-0123-1051-37/www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/201701/CK2017012302000177.html

地震など大規模災害の際に外国人住民を支援する「災害時通訳ボランティア」の養成講座が二十二日、太田市であった。日本語以外の言語でも日常会話ができる日本人や日系ブラジル人ら約五十人が参加し、災害時の支援の課題を考えた。 (原田晋也)
県が外国人の多い自治体と共同で開いており、太田市は五カ所目。同市など県東部で好調な製造業や、県北部での外国人技能実習生制度の広がりなどを受け、県内の外国人住民は五万人に迫る勢いだ。
一方、大規模災害時の言葉の壁を越えた支援方法が課題になっている。太田市には六十六カ国、約一万人の外国人が暮らし、県内では約一万一千人の伊勢崎市に次いで多い。両市や大泉町など、特に外国人が多い地域では、さまざまな取り組みが広がっている。
養成講座では、全国で外国人支援に取り組むNPO法人多文化共生マネージャー全国協議会の柴垣禎(しばがきただし)理事が講演。一昨年秋の茨城県常総市の水害を例に、平時から多文化共生の取り組みを進める重要性を訴えた。
当時の常総市は人口に占める外国人が約6%だったが、発生から時間がたつにつれ、避難所に身を寄せる人の半数を外国人が占めるようになった。近隣住民と交流がないため災害ボランティアの存在を知らず、被災した家を一人で片付けて生活を再開させるまでの間、避難所で過ごす外国人が多かったためという。
柴垣理事は「どこでも起こり得る。普段から近くに外国人が住んでいることに関心を持って」と話した。
講演後、参加者は四人ずつに分かれ、災害時の外国人支援で注意すべき点を討論。「避難所では多言語表記をする」「国ごとに外国人の代表を決め、慣習や常識の違いでトラブルが起きないようにしておく」などの意見が出た。