辺野古訴訟「司法まで沖縄差別」 出身の学生「訴え、なぜ通らない」 - 東京新聞(2016年12月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016121302000124.html
http://megalodon.jp/2016-1213-0915-12/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016121302000124.html

沖縄県の米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古への移設に伴う新基地建設を巡る訴訟で、県側が敗訴する見通しとなった十二日、首都圏の沖縄出身者から「司法も沖縄差別に加担するのか」などの怒りの声が上がった。県外の人たちに基地問題に関心を持ってもらおうと、講演などをしている大学生は「でも、諦めない」と力を込めた。名護、宜野湾の両市民からも憤りの声が聞かれた。 (片山夏子、中山高志、中沢誠)
沖縄在住や出身の学生らでつくる「SEALDs(シールズ)琉球」の中心メンバーの国際基督教大四年、元山仁士郎(じんしろう)さん(25)=宜野湾市出身=は、仲間からの連絡でニュースを知り、「厳しいな」と思った。「でも諦めないし、これで負けではない。引き続きデモや集会、講演などでこの問題について伝えていかなければと思った」と話す。
東京・日比谷では十日、辺野古移設と米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)工事に反対する集会が開かれたばかり。元山さんも約三千九百人(主催者発表)の参加者の一人として「平和を壊すな、沖縄を壊すな」と声を上げた。
沖縄県では二〇一四年十二月の衆院選、今年七月の参院選辺野古移設に反対する候補が連勝、六月の県議選でも反対派が過半数を占めた。元山さんは「地元の声は重い。国は時間をかけて、もっと聞くべきだ。佐賀県オスプレイ配備は中止になったのに、なぜ沖縄は地元の声が通らないのか」と語気を強めた。
専修大三年の豊島鉄博さん(22)=那覇市出身=は昨年、辺野古に国が設置した巨大なブロックによるサンゴ礁破壊や、海上保安庁の過剰とも言える警備ぶりを写真や映像で知った。「故郷の沖縄ですごいことが起きている」と衝撃を受けて辺野古を訪れ、住民の生の声に耳を傾けた。
憲法で保障する地方自治の原則はどこに行ったのか」と疑問を投げかける。
「沖縄・一坪反戦地主会」関東ブロック事務局長の木村辰彦さん(64)=那覇市出身=は「福岡高裁那覇支部の判決は国の主張をそのままなぞった判決だった。最高裁には法の番人として、知事の弁論を聞いた上で、公正中立に判断してほしかった」と発言。「政府のみならず司法も沖縄差別に加担するのか」と怒りをにじませた。