辺野古訴訟、沖縄県の敗訴確定へ 20日判決 最高裁、弁論開かず - 東京新聞(2016年12月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201612/CK2016121302000129.html
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米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の名護市辺野古(へのこ)への移設に伴う新基地建設を巡り、翁長雄志(おながたけし)知事が埋め立て承認の取り消し撤回に応じないのは違法だと国が訴えた訴訟で、最高裁第二小法廷(鬼丸かおる裁判長)は、上告審判決を二十日に言い渡すことを決めた。最高裁は高裁判決を見直す場合に弁論を開くのが通例。今回は弁論を開かずに判決の期日を決めており、沖縄県の全面敗訴になった一審福岡高裁那覇支部の判決が維持され、確定する見通し。 
第二小法廷は、県側が「民意に反する新基地建設の強行は憲法が保障する地方自治権の侵害だ」として、国側の憲法違反を訴えた上告を棄却し、審理しないことにした。
県は確定判決に従うことを確認しており、翁長知事は、判決後に取り消し処分を撤回するとみられる。国は辺野古移設に向けた埋め立て作業を速やかに再開する方針だが、移設に必要な海底の岩礁破砕などは、知事の承認が不可欠。翁長知事は「あらゆる手段で阻止する」と徹底抗戦する構えで、移設計画の先行きは不透明だ。
九月の一審判決は、翁長知事の取り消し処分の前提になる仲井真弘多(ひろかず)前知事の埋め立て承認に違法性があるかを審理。「仲井真前知事の承認に裁量権の逸脱はなく、取り消した翁長知事の処分は違法だ」と結論付けた。
その上で、「普天間飛行場の騒音被害や危険性は深刻な状況で、閉鎖して改善するしかない。被害を除去するには辺野古に移設する以外ない」などと指摘。国の判断は尊重すべきだとし、辺野古移設によって「全体としては沖縄の負担が軽減される」とも言及した。
米軍基地移設の妥当性にまで踏み込んだ異例の内容で、最高裁がこうした言及に対して何らかの判断を示すかが注目される。
翁長知事は二〇一五年十月、埋め立て承認を取り消した。国は今年三月、取り消しを撤回するよう是正指示をしたが、従わなかったため七月に提訴した。
今回の訴訟は、地方自治法の規定で高裁が一審を担った。

◆翁長知事「移設阻止思い遂げる」
翁長雄志知事の話> 弁論が開かれないことは極めて残念。辺野古新基地は造らせないということを公約として掲げてきた。これからもその信念をしっかり持ちつつ、私の思いを遂げていきたい。