(政界地獄耳)感受性足りない?横浜市長 - 日刊スポーツ(2016年12月12日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1750768.html
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★福島第1原発事故で福島県から横浜市自主避難した中学1年の男子生徒のいじめ問題で9日、生徒の代理人弁護士が市教育委員会に要望書を提出するとともに、被害生徒の手紙を添えた。そこには「どうしてこうなったか教育委員会が調べてくれるって聞いたけど、あれからものすごく時間がかかっているし、僕はこれからどうすればいいのか」と訴えている。
★また今月1日に男子生徒と同じく福島から新潟市内に避難した小学4年生の児童が担任の先生から「菌」と呼ばれ、学校を休んだことを受け「新がたのいじめをテレビで見たけど、あっちは学校の先生があやまっているけど、どうしてこっちは謝ってくれない」とも記している。横浜市長・林文子は11月9日の会見でこそ「非常に深く受け止める。申し訳ない」とし、生徒が「(原発事故の)賠償金をもらっているだろう」と金品を要求されていたことに「あり得ないことだ」と批判し、市教委や学校に対して「甘い。感受性が足りない」と指摘していたが、後は任せきりで寄り添うことをしない対応だ。
★そこで思い出すのが20年の東京五輪パラリンピックのバレーボール会場を巡るやりとりだ。林は都知事小池百合子横浜アリーナでの開催要望について7日、「競技団体は『有明で開催してほしい』と言っていると聞いている。調整は東京都や組織委員会にお願いしたいと考えているが、時間も短い中で競技団体の理解を得るのはかなり難しいというのが私の考えだ」と消極的対応に終始した。
組織委員会森喜朗は「横浜はバリアフリー対策が出来ていないから駄目だ」とその一因を指摘しているが、今どき、バリアフリー対策のないアリーナを造ること自体が恥ずかしい時代。自動車を売りまくったモーレツセールスマンから市長に上り詰めた林こそ、市長としての感受性が足りないのではないか。男子生徒の「どうして」に答えるべきだ。(K)※敬称略