【政界地獄耳】政局を左右するのは間違いない 混戦の横浜市長選 - 日刊スポーツ(2021年8月19日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108190000023.html

★政界は首相・菅義偉のお膝元、横浜市長選挙の結果が政局に直結することから市長選の世論調査のデータが飛び交っている。22日の投開票を待たずに、その後の政局見通しで持ち切りだ。当初、首相はIR賛成の現職市長の林文子、IR反対の前国家公安委員長小此木八郎のいずれかが当選すれば御の字と考えていたようだが、データ上はおぼつかない。世論調査のデータに各陣営は一喜一憂だが、横浜の有権者は300万人。各調査はおおむねサンプル1000程度。この混戦は調査だけでは計り知れない。

★立憲などが推す山中竹春が優勢と伝えられるが、山中を口説き落とした立憲民主党代表代行・江田憲司は自身のフェイスブックに「あのね、メディアの皆さん! 自民党が小此木氏と林氏と分裂しているから『山中先行』? おかしいでしょ! (中略)たかだかご高齢で多選の林さんが出たからと、それが分裂で山中先行というのは、山中候補に失礼千万だと思いますよ! 自民党の『言い訳』をそのまま垂れ流すのはやめてください!」などとずいぶんと強気の発言をしている。

★神奈川の政界関係者が言う。「17日には小此木の応援で元幹事長・石破茂が入った。聴衆は集まったが次期総裁選挙の候補者である石破を見に来たという雰囲気。石破が帰ると人も明らかに減った」。オレンジをシンボルカラーに「IRを実現できるのは現職市長だけ」と訴える林も勢いがあるとも言えない。「横一線」と評するメディアもあるが、それならば元長野県知事田中康夫も愚直につじ説法を繰り返しているし、元神奈川県知事・松沢成文も市内をくまなく動いている。また、この選挙は今後のコロナ禍や緊急事態宣言下の地域での選挙の実現性も考えさせる。政局を左右することだけは間違いない。(K)※敬称略