有識者会議に、天皇ご学友たちの懸念 生前退位はうやむやに? - AERA(2016年11月30日)

https://news.nifty.com/article/magazine/12106-20161130-2016112900180/1

天皇陛下生前退位への雲行きがあやしい。来年特措法を成立させ、2018年に退位との見通しもあるが、有識者会議の議論が深まらない。
天皇生前退位などを議論する「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」が、大詰めを迎えている。専門家からのヒアリングで、対象者16人のうち11人から意見を聞いた。退位に賛成する専門家は11人中4人、「どちらとも言えない」は1人、一代限りで退位を認める特別措置法を容認する専門家は1人、条件付き容認2人に留まる。賛否だけで見れば、生前退位の実現に暗雲が漂う途中経過だ。

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https://news.nifty.com/article/magazine/12106-20161130-2016112900180/4
三笠宮さまの危機感
1946年11月3日の憲法公布と同じ日付が入っている「新憲法皇室典範改正法案要綱(案)」(大阪府公文書館蔵)という手書きの文書がある。内容は、三笠宮さまが述べられたものとされる。この文書には、明快な論旨で、今日の皇室典範について疑問がつづられている。
「新憲法基本的人権の高唱されているに拘(かかわ)らず(中略)国事国政については自己の意志を強行することも出来ないばかりでなく、許否権すらもない天皇に更に『死』以外に譲位の道を開かないことは新憲法第十八条の『何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない』という精神に反しはしないか?」
天皇と内閣との間に意見が対立した時天皇はどうすればよいか? (中略)天皇に残された最後の手段は譲位か自殺である。天皇が聡明(そうめい)であり、良心的であり、責任観念が強ければ強いほどこの際の天皇の立場は到底第三者では想像のつかぬ程苦しいものとなろう」
三笠宮さまは、天皇の役割についてこうも述べている。
「全国民の為否世界全人類の為にほんとうに役立つならどんな狭い籠の中でも我慢をせねばならぬのだ」