「解散固め」延長の様相 - (2016年11月30日)

http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1745261.html
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★夏の参院選挙の後で開かれた臨時国会は、会期が30日までだが、28日、首相・安倍晋三公明党代表山口那津男は国会内で会談し、会期を12月14日まで延長する方針を決めた。首相は会談で「年金関連法案はどうしても今国会で成立させる必要がある、TPPも日本の姿勢を示すためには同様の責任がある」と発言。山口も「年金の審議時間を確保したいのが参院の意思だ」と応じたという。
★政界全体が乗り気でないIR法審議についても温度差が大きい。法案成立に前向きな官房長官菅義偉は「観光立国を進める観点からも、十分審議してほしい」と期待を込めるが、公明党内にはギャンブル依存症などへの懸念が根強く慎重姿勢は崩していない。また党として反対を表明する民進党は党内に同法案の早期成立を訴える有志議連が発足。IR派が揺さぶりをかける。自民、民進内にはパチンコ業界からの献金などもあり、関係者の動きは活発だが先行きは不透明だ。
自民党幹事長・二階俊博は28日の会見で、IR法案について「今のところは取り下げるという考えがない以上、今国会での成立を目指すのは当然のことだ」とし、年金制度改革法案やTPPなど重要法案の成立に意欲を示した。しかし、TPPは発効しない協定の承認だし国民年金は年間約4万円減、厚生年金ではなんと年間約14・2万円も減るという。安倍政権は年金運用の方式を変えた結果、わずか15カ月で10・5兆円の年金をパーにしたが、まさかそのつけでもあるまい。のちに政調会長茂木敏充が打ち消したものの、選対委員長・古屋圭司が3次補正の必要性に言及。いよいよこの会期延長は解散固めの延長の様相だ。この臨時国会は一体何だったのか。(K)※敬称略