「住民票は実家」の8割 前回衆院選で投票せず 千葉大生が同級生調査:千葉 - 東京新聞(2016年4月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201604/CK2016040102000172.html
http://megalodon.jp/2016-0401-0945-08/www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201604/CK2016040102000172.html

今夏の参院選で選挙権年齢が「十八歳以上」に引き下げられるのを前に、千葉大政経学部四年の今井隆太さん(22)らが学生の投票意識を調べたところ、実家を離れて暮らし、住民登録を移していない二十歳以上の学生のうち八割近くが、前回の衆院選で投票しなかった結果が出た。今井さんらは改善アイデア千葉大などに提言。同大はこれを受け、選挙権を得る新一年生らを対象に四月から政治参加に関する科目を新設する。(中山岳)
調査は、同学部の倉阪秀史(ひでふみ)教授(政策学)のゼミに所属する今井さん、清田果奈子さん(21)、小室芳樹さん(21)が、三年生だった昨年九〜十月に行った。千葉大の同学年の学生にインターネットでアンケートを行い、二百五十一人から有効回答を得た。
その結果、二〇一四年十二月の衆院選で、実家を離れ、住民登録を移していない学生八十人のうち、79%が投票しなかった。投票したのは15%、期日前投票不在者投票をしたのは6%にとどまった。実家で暮らしている学生百八人のうち79%が投票したのに比べ、大幅に低かった。
不在者投票制度は、実家など住民登録している自治体から投票用紙を取り寄せ、住んでいる市区町村の選挙管理委員会で投票することを認めているが、投票用紙の請求などを手間に感じ、利用する学生が少ないとみられる。
有効回答全体をみると、一四年衆院選で「投票に行った」「期日前投票不在者投票をした」と答えた人は合わせて44%、「投票に行かなかった」人は37%、「二十歳未満だった」などが19%だった。期日前投票の方法を知っている人は37%だったのに対し、知らない人は63%に上った。
今井さんたちは調査後、不在者投票制度を利用しやすくすること、大学構内に期日前投票所を設けることなどを千葉市長や千葉大などに提言した。
同大は、今月から教養科目「若者の政治参加を考える」を新設。授業は今月十三日から六月初旬までで、学生が若者の低投票率の原因などを考える。
今井さんは「今後も提言が少しでも実現してほしい。十八歳選挙権をきっかけに、学生の政治参加の窓口が増えればいい」と話している。