「発言できなくなりつつある空気」 古舘さん、報ステ最後の出演 - 東京新聞(2016年4月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016040102000124.html
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テレビ朝日の「報道ステーション」で、十二年間メーンキャスターを務めた古舘伊知郎(ふるたちいちろう)さん(61)が三十一日、最後の出演を迎えた。番組の最後に「プレッシャーや圧力がかかって辞めさせられるということは一切ないが、この頃は開けっぴろげにいろいろな発言ができなくなりつつある空気を感じている」などと語った。
約八分間語り続けた古舘さんは「つるんつるんの無難な言葉で固めた番組などちっとも面白くない。情熱を持ってつくれば多少は偏る。それを程よいバランスに仕上げ直せばいいという信念を持っている」と持論を展開した。
後任の富川悠太(とみかわゆうた)アナウンサーに「言うべきことは言う。激しい発言がきっかけで議論になって、いい方向に向くという事柄もあるはずだ」などとエールも送っていた。
古舘さんは久米宏さん(71)がキャスターを務めた「ニュースステーション」の後を継ぎ、二〇〇四年四月の番組スタート時から出演。鋭いコメントは番組の名物で、東京電力福島第一原発事故後は、原発再稼働に疑問を投げかけた。
昨年三月には元官僚のコメンテーターが、この番組で、自身の降板をめぐり「政権からの圧力があった」と訴えることもあった。