大人って…知事選 私たちの1票<上> 大学生の挑戦:千葉 - 東京新聞(2017年3月22日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201703/CK2017032202000134.html
http://megalodon.jp/2017-0324-1027-54/www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201703/CK2017032202000134.html

昨年6月に選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、18歳と19歳の若者が初めて投票する知事選の投開票日が、26日に迫ってきた。知事選候補者の公約を比べて議論したり、自分たちの意見を行政に反映してもらおうと取り組む、「政治を人任せにしたくない」という若者たちの今を紹介する。 (中山岳)
「若者に向けたメッセージが少ない」。十九日、JR津田沼駅前で知事選候補者の演説を聞いた千葉大教育学部三年の須藤ややさん(21)=浦安市=は、素直な感想を語った。
須藤さんは知事選告示(九日)以降、三人の候補者の街頭演説を聞いた。どの候補の演説会場も、集まった聴衆は、ほとんどが高齢者だった。「私たちの世代が投票に行かないと、若者の意見が政治に反映されない」と危機感を抱く。
須藤さんは一昨年と昨年、県議などの事務所でインターン(研修)を経験。県議らと一日で百軒の家を回り、住民から困りごとがないか聞くなどした。「政治を人ごとでなく、自分に関わる事と感じられた。一気に興味がわいた」
「若者を政治に引き込む機会が、もっと必要」。そんな思いから、須藤さんらは今月五日、浦安のまちづくりに懸ける思いを提案する「うらやすスーパープレゼンテーション」を開催。知事選と同じ二十六日に投開票される浦安市長選の候補者も招いた。若者と候補者らが一人当たり十分間、熱弁を振るった。様子はインターネット動画で公開している。
前回知事選の投票率は31・96%だった。十八歳以上が投票に参加することで、若者の投票行動にも注目が集まる中、投票率アップにつなげようと、同世代で学び合う大学生もいる。
今月四日と十二日、柏市であった知事選勉強会。十代を含めた約四十人が投票する意義を語り合い、候補者の公約を調べて議論した。
毎月五万円の奨学金を借りて学費にあて、将来は公務員を目指す中央学院大法学部一年の金井巽都(ゆくと)さん(19)=八街市=は、各候補の公約とも高齢者向けの政策が多いと分析。「学費や就職を支援する施策が、もっとほしい」と話す。
金井さんも昨年八月から二カ月間、県議のインターンを経験した。インターン中に初めて傍聴した県議会では、県が提出した議案を県議が承認するだけの場面が多かった。「千葉に住む若者たちが、もっと地元に目を向ける政策が県でできるはず。議会でも活発な議論があれば」と指摘する。
勉強会は、若者の投票率向上に取り組むNPO法人「ドットジェイピー」が開いた。同法人千葉支部代表で千葉大教育学部三年の山田光さん(21)=千葉市=は「知事選の結果は、身近な生活に影響する。自分の視点をもち、投票に行ってほしい」と話している。