(河北春秋)こちらのマニュアルはきちんと守られているのだろうか - 河北新報(2016年3月2日)

http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyunju/20160302_01.html
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漢字を手書きした時の「とめ」や「はね」のルールが緩くなるそうだ。文化審議会が指針案を発表した。「保」の「ロ」の下は「木」でも「ホ」でも正解。「糸」偏の「小」は斜めに3本でもOK。乱筆にはありがたい、かな?
学校のテストで印刷された字形以外を間違いとした例などがあり、今回の措置になったそうな。ただ、あくまで標準の字形を前提として柔軟に対応するということで、適当でよいわけではない。指針は手引き、マニュアルだ。上手に使ってください。
こちらのマニュアルはきちんと守られていたのだろうか。関西電力高浜原発4号機(福井県)の原子炉が2月29日、緊急停止した。送電線側から発電機側に想定以上の電流が流れたためという。再稼働から3日。正常に運転できるよう点検したばかりではないのか。
再稼働の6日前も放射性物質を含む1次冷却水漏れを起こしている。原因は配管ボルトの締め付け不足だった。素人じゃあるまいし。緩んでいるのは関電の安全意識だ。スケジュールありきの見切り発車と思われても仕方ない。
東京電力は、原子炉の炉心溶融を判定する基準がマニュアルに書かれていたことを、先月初めて知ったと発表した。5年間も!見逃していた。安全への答えは一つしかないはずなのに。