国内唯一・中国残留孤児の研修施設 最後の修了式 - 東京新聞(2016年2月3日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201602/CK2016020402000136.html
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中国残留孤児らが日本に帰国後、宿泊しながら日本語や生活習慣を学ぶ国内唯一の施設「中国帰国者定着促進センター」(埼玉県所沢市)が、帰国者の減少にともない三月末で閉鎖されることになり、三日、最後の研修生三人の修了式が行われた。
最後の研修生となったのは、終戦直後の一九四五年九月、中国東北部・撫順(ぶじゅん)市の収容所で中国人の養父母に引き取られた謝秀英(しゃしゅうえい)さん(77)と親類の計三人。昨年八月から同センターで研修を受けていた。
修了式では謝さんと、謝さんの兄の孫の謝威(しゃい)さん(36)、威さんの長女の佳汐(かせき)さん(11)に、佐藤恵美子所長事務代理(63)から修了証書が渡された。三人は今後、東京都北区で暮らす。秀英さんは「近所の人たちと早く仲良くなりたい」と話した。
厚生労働省によると、これまでに帰国した残留孤児や家族は計二万八百九十一人。センターでは八四年の開所以来、六千六百四十四人が学んだ。帰国者は八七年度の千四百二十四人をピークに減少が続き、昨年度は四人だった。
定着促進センターは所沢を皮切りに、一時は愛知、北海道など全国九カ所にあったが、二〇〇八年以降は所沢のみとなっていた。四月からは、通所式の中国帰国者支援・交流センター(東京都台東区)に役割が引き継がれる。