「知らない」を許さず トップの責任、厳しく批判  原発事故の検審議決 - 47NEWS(2014年8月2日)

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検審は、勝俣元会長が新潟県中越沖地震(2007年)による原発停止を受けた会議で津波のリスクを議論した可能性が高いとし、「最高責任者として各部署に対応策を取らせることが可能だった」と指摘。「重要な点は知らなかった」との主張は「資料を見る限り信用できない」と取り合わなかった。

武藤栄 (むとう・さかえ) 元副社長と 武黒一郎 (たけくろ・いちろう) 元フェローの2人は、津波の危険性の具体的な報告を受けていたことが起訴相当の根拠となった。

議決書などによると、東電は08年3月、政府の地震調査研究推進本部の長期評価に基づき、福島県沖で大地震が発生した場合、最大15・7メートルの津波が襲来すると試算。東電の土木調査グループは同6月、武藤元副社長に試算を報告し、武藤元副社長は武黒元フェローに伝えた。

検審は「(元副社長と元フェローが)適切な措置を指示すれば、事故を回避できた」と指摘。武藤元副社長が推進本部の評価を土木学会に検討させようとしたことは「時間稼ぎ」と指摘した。

不起訴不当の 小森明生 (こもり・あきお) 元常務は15・7メートルの試算結果を伝えられたが、対策を決める立場になかったと認定。 鼓紀男 (つづみ・のりお) 元副社長と 榎本聡明 (えのもと・としあき) 元副社長は、原発の安全管理に携わっていなかったことから不起訴相当となった。

検審原子力安全・保安院(当時)と東電の姿勢にも言及。「リスクを単なる数値と見ており、『原発は大丈夫』という安全神話の中にいたからといって、責任を免れることはできない」と批判した。