刑事司法改革 禍根を残さぬために-東京新聞(2014年6月27日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014062702000143.html
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新しい刑事司法の在り方を考える法制審議会の特別部会の議論が大詰めだ。冤罪(えんざい)をなくすという原点を忘れず、禍根を残さぬ着地点を見いだしてほしい。

大きな焦点は、やはり取り調べの録音・録画(可視化)の行方である。特別部会に対し、法務省が答申のたたき台となる試案の修正案を示した。可視化を義務付ける範囲について、裁判員裁判の対象事件に加え、特捜部など検察の独自捜査事件も入れた。

裁判員裁判の対象事件は、すべての起訴事件の約3%にとどまる。検察の独自捜査事件は年に百件程度だ。可視化の範囲は、まだ狭いと言わざるを得ない。