民共「憲法語る資格ない」=異口同音に安倍首相批判−イラク派遣日報 - 時事ドットコム(2018年4月5日)

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018040500960&g=pol
http://archive.today/2018.04.05-114524/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018040500960&g=pol

憲法を語る資格はない」。安倍晋三首相が目指す憲法9条改正をめぐり、民進党大塚耕平代表と共産党志位和夫委員長が5日、同じせりふで安倍政権を批判した。
大塚氏は記者会見で、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報問題などに関し「隠蔽(いんぺい)、圧力、権力乱用の三つが安倍政権の特徴だ」と指摘。「国会は国権の最高機関と憲法で定められている。その最高機関に堂々と虚偽答弁を繰り返す内閣が憲法を語る資格はない」と非難した。
志位氏も会見で、公文書をめぐる一連の問題について「政府が『ありません』と言ったら、だいたい『ある』と思って間違いないぐらいだ」と述べ、「行政に対する信頼が根底からなくなっている。改ざん、隠蔽政権に憲法を語る資格はない」と断じた。

教育格差「当然」「やむをえない」6割超 保護者に調査 - 朝日新聞(2018年4月5日)

https://www.asahi.com/articles/ASL3S5VPYL3SUTIL014.html
http://archive.today/2018.04.04-213613/https://www.asahi.com/articles/ASL3S5VPYL3SUTIL014.html

朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で実施する「学校教育に対する保護者の意識調査」の結果が4日、まとまった。全国の公立小中学校の保護者7400人に聞いたところ、教育格差について「当然だ」「やむをえない」と答えた人は62・3%となり、4回の調査で初めて6割を超えた。また、子どもの通う学校への満足度は83・8%で、過去最高となった。
調査では「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」について「当然だ」「やむをえない」「問題だ」の3択で尋ねた。
「当然だ」と答えた人は9・7%で、2013年の前回調査の6・3%から3ポイント以上増えた。1回目の04年、2回目の08年(ともに3・9%)からは6ポイント近い増加だった。また、「やむをえない」は52・6%で、初めて半数を超えた前回の52・8%とほぼ同じ。格差を容認する保護者は計62・3%となった。
一方、「問題だ」は34・3%で前回の39・1%から5ポイント近く減少。08年調査の53・3%と比べると、19・0ポイントも減ったことになる。
調査では今後の日本社会で「貧富の差が拡大する」かどうかも聞いた。「とてもそう思う」「まあそう思う」の合計は85・0%で、多くの保護者は格差が拡大すると見ていた。
子どもが通っている学校については「とても満足している」「まあ満足している」「あまり満足していない」「まったく満足していない」の4択で尋ねた。「とても」は13・5%、「まあ」は70・3%で、合計した「満足度」は83・8%だった。
この質問への回答を初回調査からみると、満足度は73・1%(04年)、77・9%(08年)、80・7%(13年)と毎回高くなっており、今回も過去最高だった。特に、「とても」の保護者は04年の4・9%と比べて、8・6ポイント増えた。小学生の保護者だけをみると満足度は86・8%で、中学生の保護者の77・8%より9・0ポイント高かった。(土居新平、編集委員・氏岡真弓)

     ◇

調査は昨年12月〜今年1月に実施された。28都県、公立小中54校の小学2、5年生、中学2年生の保護者計9079人に調査票を配り、7400人から回答を得た。お茶の水女子大の耳塚寛明教授、一橋大の山田哲也教授(いずれも教育社会学)も調査に加わり、質問の設定や回答の分析を行った。
保護者の意識調査は、文部科学省内閣府なども実施している。だが、教育への意見や学歴、経済的ゆとりとの関係などを数千人規模で継続的に調べている調査は国内で他にない。

全国に広がる子ども食堂 地域社会で後押ししたい - 毎日新聞(2018年4月5日)

https://mainichi.jp/articles/20180405/ddm/005/070/037000c
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子どもたちに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で2286カ所に上ることが運営団体の調査でわかった。
子ども食堂は始まってまだ5〜6年しかたっていない。地域住民主体の活動がこのような勢いで全国に広がっていることを心強く思う。
まともな食事が学校の給食だけという子どもの存在が話題になったのは、2009年に政府が初めて子どもの貧困率を公表したころだ。過去1年に家族の必要とする食料を買えなかった経験のある世帯が約15%との調査結果もある。
14年に施行された子どもの貧困対策法が弾みとなり、地域住民やNPO法人社会福祉法人、企業などが子ども食堂の運営に乗り出した。
困窮家庭の子どもへの食事提供などの生活支援が、当初の子ども食堂の目的だ。ただ、子どもの貧困は表面上は見えにくく、真にニーズのある子だけを集めるのは難しい。
このため、困窮家庭の子のみならず、一般の子どもや1人暮らしの高齢者の受け入れも増えてきた。最近は地域住民の「よりどころ」としての機能を担う子ども食堂も多い。
誰もが気軽に運営に参加できるところがメリットだが、その半面、運営基盤の弱さも指摘される。資金や人手が足りないため、月1〜2回しか開催できないところが多い。食中毒などの衛生面、事故や火災などへの安全管理も懸念されている。
ただ、国や自治体に財政支援を頼ると、規制が強化されて運営主体が制限される恐れがある。即効性のある「成果」も求められがちだ。
行政の補助金に頼らず、地域に密着した息の長い活動を広げるには、町内会や小学校区のような単位で活動場所や資金を調達できる仕組みを作る必要がある。
かつては親に養育能力がない場合でも、親戚や近隣住民の中に補完的に子どもの世話をする人がいたものだ。しかし、家族や地域の人間関係が希薄化し、支え合い機能が縮小しているのが今日の状況だ。
乾いた地域社会にとって、子ども食堂は小さなわき水に過ぎないかもしれない。しかし、地域から自発的に始まった取り組みが全国に広がっている。子どもたちを潤そうという活動を枯渇させてはならない。

放送法見直し 恣意的利用を懸念する - 琉球新報(2018年4月5日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-694814.html
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フェイク(偽)ニュースが事実のように報じられたり、番組の質が落ちたりして結果的に国民の「知る権利」が阻害される恐れがある。安倍政権が目指す放送法の見直しは問題が多い。
安倍政権がテレビ、ラジオ番組の政治的公平などを求めた放送法の条文撤廃などを検討している。放送という制度を事実上なくし、インターネット通信と民放テレビ局を同列に扱い、新規参入を促す。早ければ今秋の臨時国会に関連法案を提出し、2020年以降の施行を目指す。
特に問題なのは放送法4条の撤廃を検討していることだ。4条は(1)公序良俗を害しない(2)政治的に公平である(3)報道は事実を曲げない(4)意見が対立する問題は多角的に論点を明らかにする−ことを求める。
この規制が放送の信頼性を高めてきた。その一方で、法的規制は権力による番組への介入を招くこともある。現に安倍政権は、放送局が4条に違反すれば電波停止などの行政処分を下せるとし、政権に都合の悪い番組に圧力を強めてきた。
規制が外れれば、「国家からの自由」が広がるという考えもある。だが、視聴率ありきで好奇心をあおる番組が氾濫しかねないことにも留意する必要がある。
時間とコストをかけた報道やドキュメンタリー番組、大規模災害報道、目や耳の不自由な人向けの字幕・解説放送などが淘汰(とうた)される恐れもある。公平公正な選挙報道は消え、資金の潤沢な政党が都合のいい番組を放送する懸念は払拭(ふっしょく)できない。
野田聖子総務相衆院総務委員会で「4条は非常に重要で、むしろ多くの国民は今こそ求めているのでないか」と述べた。放送事業を所管する総務相が、4条撤廃によって放送の信頼性が失われることを懸念しているのである。
ネット上で広がるフェイクニュースやデマが地上波に及ぶ事態もあった。東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)が放送した「ニュース女子」は、沖縄の米軍基地反対運動を裏付け取材もせずに「日当をもらっている」「武闘派集団のシルバー部隊」と一方的に報じた。ヘイトスピーチ(憎悪表現)反対団体「のりこえねっと」の辛淑玉(しんすご)共同代表を基地反対運動の「黒幕」であるかのように報じた。
放送倫理・番組向上機構BPO)は辛さんへの人権侵害を認め、再発防止策などを求めるよう東京MXに勧告した。だが、BPOはあくまで放送事業者がつくった第三者機関であり、インターネット放送に権限は及ばない。
放送法はアジア太平洋戦争時、戦意高揚の政府宣伝にラジオが使われた反省から、1950年に制定された。国民が望むのは、自由な言論の場としての放送である。権力による放送の恣意(しい)的利用が再び起きてはならない。

<金口木舌>「ペンタゴン・ペーパーズ」 - 琉球新報(2018年4月5日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-694813.html
http://archive.today/2018.04.05-071235/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-694813.html

「物証を取ってこい」。駆け出しの頃、取ってきた情報が間違いないかどうか、確実かどうかを裏付ける文書を入手してくるよう先輩から求められた

▼言うはやすいが、これがなかなか容易ではない。基本的には隠された、公開されていない情報を追い掛けるのだから、相手がおいそれと渡すはずもない。情報公開も駆使して迫る
▼政府の公文書の在り方に疑念が高まっている。国有財産売却を巡る文書で改ざんがあり、防衛省では情報公開後に同名の文書が複数出てきた。これでは公文書自体信用できなくなる
▼米国であった政府文書報道をテーマにした映画が公開中だ。物は物でも超ド級の極秘文書で、ベトナム戦争の経緯を政府が国民に隠してきた「ペンタゴン・ペーパーズ」だ。文書をスクープしたのはニューヨーク・タイムズだが、映画の主役は後追いするワシントン・ポスト
▼翌朝のタイムズに特ダネが載ると知って夜じゅう悶々(もんもん)とするポストの編集幹部の様子は人ごとではない。見ているこちらまで過去の抜かれた記事が頭をよぎり息が詰まった
▼後追いで報じたポストもタイムズと共に政府に訴えられた。だが最高裁は「制限を受けない自由な報道のみが政府の偽りを効果的に暴くことができる」と新聞社勝訴の判決を出す。報道の自由を巡って政府相手のせめぎ合い、今の日本にあるだろうか。

都議の教員批判、波紋 中学校の性教育「不適切」 - 東京新聞(2018年4月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040502000127.html
https://megalodon.jp/2018-0405-1607-49/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040502000127.html

東京都足立区の中学校で行われた授業を巡り、都議が都議会で教員らを名指しして「不適切な性教育」と批判したことに、波紋が広がっている。都教育委員会は「課題があった」として区教委を指導する方針だが、専門家らは教育現場の萎縮を招くと懸念。判例では教員の広い裁量を認めているとして、教育への不当介入だと訴えている。 (川田篤志、柏崎智子)
授業は三月五日、三年生を対象に総合学習の時間で行われた。「自らの性行動を考える」という人権教育の一環で、教育関係者や保護者らにも公開された。
関係者によると、授業では、若年層の望まない妊娠が貧困につながるなど社会問題化していることや、高校一年生の中絶件数は中学までの総数の三倍に跳ね上がる実態を紹介。「産み育てられる状況になるまでは性交は避けるのがベスト」と強調した上で、避妊方法や中絶できる期間が法律で決まっていることなど、実用的な知識を教えたという。
自民の古賀俊昭都議は同十六日の文教委員会で、校名や校長名、教員名を挙げ「発達段階を無視」した「不適切な性教育」だと問題視。都教委の宇田剛指導推進担当部長は、性交や避妊、人工妊娠中絶という言葉を使って説明した点に「課題があった」と答弁した。性交の言葉は保健体育の学習指導要領に示されておらず、避妊と人工妊娠中絶は高校で扱う内容だとの認識を示した。
学習指導要領や文部科学省の説明では、中学一年で「男子では射精、女子では月経が見られ、妊娠が可能となること」を教えるが、性交は取り扱わない。一方、学習指導要領解説などでは、三年時に「(エイズなどの)感染を予防するには性的接触をしないこと、コンドームを使うことなどが有効であることにも触れるようにする」としている。
性教育を実践する教職員や大学教授らでつくる「“人間と性”教育研究協議会」は今月六日、「都議と都教委の教育への不当介入に強く抗議する」との声明文を発表する。
会の代表幹事で、国内外の性教育に詳しい立教大の浅井春夫名誉教授(66)は本紙の取材に「中学生までに性や避妊の知識を教えるのは国際標準」と指摘。古賀氏が教員らを名指ししたことを「現場の裁量権を踏みにじり萎縮を招く」と訴え、都教委にも「政治介入から教員を守るべき立場を放棄した」と批判する。

◆「教育者に広い裁量」判決確定
古賀氏ら都議三人は二〇〇三年、都立養護学校(当時)を視察した際、人形などを使った性教育の授業を「感覚がまひしている」などと批判したことがある。都教委から学習指導要領を踏まえない不適切な教育と厳重注意を受けた教諭らは〇五年、都議三人や都教委などに対し、損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
地裁は「教育に対する不当な支配」と認め、都や都議三人に損害賠償を命じた。東京高裁も地裁判決を支持した上で「学習指導要領の内容は膨大で一言一句に法的拘束力があるとはいえず、教育者に広い裁量が委ねられている」とし、判決は確定している。
区教委の担当者は「総合学習の時間で人権教育の題材としては適当だった」としつつ「性教育に偏りすぎていたので改善の余地はある」と説明。古賀氏は本紙の取材に「性教育は学習指導要領に準拠すべきだ。行政をチェックするのが議員の使命で不当介入との指摘は当たらない」と話した。

前川氏授業 文科省、氏名黒塗り要求 名古屋市教委に - 東京新聞(2018年4月4日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040402000259.html
http://archive.today/2018.04.04-094806/http://www.tokyo-np.co.jp/article/nationa

文部科学省が、名古屋市の中学校で行われた前川喜平前次官の授業内容の報告を市教育委員会に求めた問題で、市教委は文科省とのメールのやりとりを公表する際、前川氏の氏名などを黒塗りにするよう文科省から求められていた。市教委などへの取材で分かった。
市教委は三月十六日、文科省教育課程課に対し、双方がやりとりしたメール計四通などA4判二十二ページ分を公表する方針を伝えた。その際、文科省側から前川氏の氏名や、授業が行われた市立八王子中(同市北区)の名前を黒塗りにするよう要求された。
河村たかし市長や市教委側は「黒塗りにする必要はない」とメールのやりとりを全て公表。一方、文科省は、前川氏の氏名や学校名を黒塗りにして公表した。
文科省の担当者は「情報公開法の趣旨に沿い、個人情報などに該当すると判断した。黒塗りを求めたとの認識ではなく、参考にしてほしいとの考えだった」と話している。

寄り添う学舎50年 ねむの木学園 障害児とともに - 東京新聞(2018年4月4日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040402000266.html
http://web.archive.org/web/20180404103522/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040402000266.html

体が不自由な子どもたちのための養護施設として、女優宮城まり子さん(91)が日本で初めて設立した「ねむの木学園」(静岡県掛川市)が六日に五十周年を迎える。売名行為との批判を乗り越え、半世紀にわたり子どもたちに寄り添い続けた宮城さん。「健康な人も、そうでない人も集まれる場所をつくりたい」と今も夢を追い続けている。
桜の咲く山道を車で抜けると、赤い屋根と白壁の建物が姿を見せた。現在、身体障害や知的障害のある四〜七十八歳の男女七十三人が施設で暮らす「ねむの木村」だ。村には美術館や障害者施設「ねむの木学園」と、特別支援学校があり、うち三十三人が学校に通う。
楽譜を持った女の子が、職員の演奏に合わせ体を大きく揺らす。「字は読めなくてもね、楽譜は読めるの。不思議よね」。国語や算数といった授業もあるが、学園では音楽や絵画など感性を養う教育に力を注ぐ。
きっかけは一九六〇年、脳性まひの子役を演じたことだった。障害児に対する教育の場が整備されていないことを知り、悲しさと怒りでいっぱいになった。「この子たちに楽しい勉強をさせてあげたい」。土地を探し、資金を調達するなど奔走した。「売名行為」と周囲は冷笑したが、めげなかった。
障害者への偏見が強く、旧優生保護法下で障害者への不妊手術が行われていた時代。児童福祉や障害者福祉に関する法律が整っておらず、厚生省(当時)や静岡県に働き掛け、特例で設立が認められた。六八年、同県浜岡町(現御前崎市)に「養護施設ねむの木学園」を開設。九七年に掛川市へ移転した。
この五十年、「何もしてあげられていないのでは」と無力さを感じるたびに運営から手を引こうと思った。でも、できなかった。「子どもたちが私を愛して、私も子どもたちを愛しちゃったから」
学園では「母ちゃん、母ちゃん」と子どもが宮城さんを呼ぶ声が絶えない。そのたびに「はーい」と声を振り絞るが、子どもが姿を消すと「苦しい、疲れちゃった」とため息が漏れる。年齢には勝てず、最近は車いすでの移動が多く、横になる時間も増えた。
それでも宮城さんの夢はぶれない。健常者も障害者もともに過ごせる場所をつくるため、ねむの木村に公園の建設を計画している。「もう私、そんなに命ないわ。でも、まだやりかけだから。一生懸命生きなきゃって思うの」。七十三人の子を持つ母の瞳は、真っすぐ前を向いていた。
◆清水寛・埼玉大名誉教授(障害児教育)の話 ねむの木学園が設立された当時、体が不自由で歩いて学校に通えない子どもは、当然のように行政から就学免除され、家に閉じこもるしかなかった。制度がない中、こうした子どもの学びの場をつくり上げたことは、先駆的で画期的。その後の障害児教育に与えた影響は大きい。また、絵画や音楽など表現活動を尊重した授業は、自分を表現することを通して自由を獲得するという意味において、教育の神髄だといえる。

障害児施設に積極的要請 1951年、北海道「強制不妊手術は簡単」 - 東京新聞(2018年4月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040502000130.html
https://megalodon.jp/2018-0405-1612-32/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201804/CK2018040502000130.html

優生保護法(一九四八〜九六年)下で障害者らへの強制不妊手術が繰り返された問題で、北海道が五一年、道内の障害児施設に対し、積極的に手術を申請するよう働き掛けていたことが、道の開示資料で分かった。道は手術について「子供を生まれなくするだけ」「簡単なもの」と説明。入所している知的障害児が対象かどうか診断する医師は「嘱託医、開業医等誰でもよい」としていた。
開示された資料は、道内三カ所の障害児施設に宛てた「精神薄弱児に対する強制優生手術について」と題した文書。施設に手術対象者がいる場合、「申請書を積極的に提出するよう御配意願いたい」と求めていた。
文書では、手術について男子は精管、女子は卵管を縛る手法とした上で「子供を生まれなくするだけの手術であり、男子は二〜三日、女子は一週間程度の入院ですむ簡単なもの」と説明した。医師の診断がある場合は、申請に「本人及び親権者の同意を必要としない」と明記。費用は国の負担のため「心配は必要ない」とし、申請書の提出先となる保健所を紹介していた。
道によると、実際に手術を受けたり、「手術が適当」と判断されたりした千三百十四人の個人名記載資料が確認されている。このうち二十歳未満は百八十一人で、最年少は男性十四歳、女性十一歳だった。
また、道衛生部保健予防課が五六年度の会議で、保健所に対して強制不妊手術の徹底を求めていたことも別の開示資料で判明した。会議資料の「優生精神事業方針」は「精神薄弱、その他多くは家庭に潜在している」との認識を示し、「あらゆる機会を捉え、これら対象者の発見に努め、申請を図るようにする」としていた。
事業方針は、精神病院などの協力により手術件数が年々増加し、五五年末で千件を突破したと紹介。一方、申請に際して、対象者と家族に対する説得で「問題を起こすことのないよう慎重を期すること」と指導していた。

働き方改革 混迷は政権の責任だ - 朝日新聞(2018年4月5日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13436897.html
http://archive.today/2018.04.05-071413/https://www.asahi.com/articles/DA3S13436897.html

都合のよいことばかり強調し、不安や懸念には耳を傾けない。そんな政府の不誠実な態度が問題を引き起こし、働き方改革は混迷に陥っている。安倍首相はそのことを認識すべきだ。
国会が開かれる直前の昨年末、厚生労働省東京労働局は、裁量労働制を悪用していた野村不動産への特別指導を公表した。しかし、なぜ異例の特別指導に至ったのか、政府は詳しい経緯の説明をかたくなに拒んでいる。
あらかじめ定められた時間を働いたとみなす裁量労働制の対象拡大や、労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度の創設は、長時間労働を助長し、過労死を増やすのではないか。そんな懸念に対し、首相は指導・監督体制を強化してきちんと取り締まると、繰り返し説明してきた。野村不動産への特別指導はその先取りとなる事例と位置づけていた。
だが同社では、本来は対象ではないのに裁量労働制を適用された社員が過労自殺していた。特別指導の公表と同じ日に労災認定されたが、そのことは公表されなかった。
異例の特別指導も、実は犠牲者が出た後だったのに、それを伏せて成果だけをアピールしたのではないか。
政府は今も、会社側が認めている労災認定すら認めていない。国会の求めで提出した特別指導前の厚労相への報告資料は、大半が黒塗りだ。
記者会見で経緯をただされると、東京労働局長からは「なんなら皆さんのところ(に)行って是正勧告してあげてもいいんだけど」との発言まで飛び出した。恣意(しい)的な権力の行使を疑われ、労働行政への信頼を揺るがしかねない。
こんな対応を続ける政府の説明に、どれだけの国民が納得するだろうか。
今国会ではすでに、働き方改革をめぐって首相は一度、答弁を撤回している。裁量労働制には労働者にも利点があると強調しようと、比較のできないデータを並べたことが原因だった。その後、次々と見つかったずさんなデータは、法案づくりが結論ありきで進んだことを露呈した。
働く人たちを守るための残業時間の上限規制などの改革と、経済界の求める規制緩和を、一緒に進めようと無理を重ね、ひずみが生じたのではないか。
「信なくば立たず」。国民の信頼がなければ政治は成り立たないといった意味で、首相は折にふれ、この言葉を使う。今こそかみしめてほしい。

玄海原発 小さな穴の大きな教訓 - 東京新聞(2018年4月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018040502000143.html
https://megalodon.jp/2018-0405-0927-01/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018040502000143.html

九州電力玄海原発3号機の配管で見つかった小さな穴は重大だ。原子力規制委員会の審査で「世界一厳しい基準」に適合とされ、再稼働した直後のトラブルだ。「アリの一穴」という故事もある。 
直径約一センチの穴ひとつ、放射能を含まない水などを循環させる二次系の配管で見つかった。小さな穴で、放射能漏れもなかったとはいうものの、見過ごしにはできない出来事だ。
政府や大手電力事業者が「世界一厳格だ」と胸を張る、3・11後の新たな原発規制基準。その基準をパスして再稼働した玄海原発3号機から蒸気漏れが見つかったのは、再稼働から八日目で、発電出力は75%に達していた。
玄海原発2号機では二〇〇七年、核燃料に直接触れる一次冷却水につながる配管で、ひび割れが見つかった。
地元住民らでつくる市民団体が「検査体制は未改善。(2号機同様)経年劣化による配管の破損で重大事故の恐れがある」などとして、3、4号機の再稼働差し止めを求めた仮処分申請で、佐賀地裁は昨年六月、「九電が必要な対策を実施しており、同様の事態が生じる恐れがあるとは認めがたい」と、申し立てを却下した。
配管の小さな穴は、原子力規制委員会や司法による安全判断の信頼性に、大きな穴をあけてしまったのではないか。
九電から佐賀県への連絡は、蒸気漏れが確認されてから、二時間後のことだった。電力事業者の安全認識にも、再び疑問符がついたと言えるだろう。
九電の瓜生道明社長は「(3号機は)七年間停止しており、再稼働で何が起こるかわからないということが現実になってしまい、残念」と述べている。その通り。
だとすれば、すでに再稼働した原発の総点検が、必要になるのではないか。
3・11後、原発が再稼働されるたび、津波対策や非常用電源の多重化などが特に強調されてきた。もちろん大事なことである。
だが、原発の配管は極めて複雑だ。福島の事故についても、地震の揺れによる配管や電気設備の損傷が過酷事故につながったという疑いは、まだぬぐえていないのだ。
九電側は雨水による腐食らしいとしているが、予防はできなかったのか。老朽化や経年劣化の影響をもう一度精査せよ、場合によっては地震の揺れの影響もと、小さな穴が警告を発してくれている。

豊洲市場 ベンゼン基準の130倍 地下水、続く「100倍超」 / 東京 - 毎日新聞(2018年4月5日)

https://mainichi.jp/articles/20180405/ddl/k13/010/010000c
http://archive.today/2018.04.04-235351/https://mainichi.jp/articles/20180405/ddl/k13/010/010000c

都は4日、豊洲市場で継続している地下水調査で、環境基準値の最大130倍にあたるベンゼンなどの有害物質が検出されたと発表した。昨年4月以降、ベンゼン濃度は基準の100倍超の状態が続いているが、都は「中長期的には改善する」と説明した。
都によると、今回は昨年12月から今年2月の調査結果を公表。ベンゼンは33カ所中24カ所で基準を超えた。最大130倍が検出された場所では、昨年9月に過去最大の160倍を検出している。基準を超えるヒ素やシアンも一部で検出した。
ただ、地上で空気中の有害物質は基準値未満だったため、都の専門家会議は「科学的な安全は確保された状態にある」と、昨年12月の前回発表と同じ見解を示した。【森健太郎