https://ryukyushimpo.jp/newspaper/entry-3750854.html
話の内容がふに落ちた。米国で今、起きているのは政治上の「左右の対立ではない。階級闘争なんだ」。先月の米大統領選のドナルド・トランプ氏の勝因を識者が語っていた
▼こんな例えがある。米国を10人の人口とすると全資産の7割を1人が握る。富が一局集中し、物価などが高騰する中、貧富間の闘争が起きているという。頼みの民主党が企業と結びつく政党に転換しては、労働者は行き場を失うだろう
▼あまりの格差に絶望した人がトランプ氏を選んだと識者はみる。民主党支持層とされたヒスパニック男性の5割がトランプ氏に投票との分析もある。今の米国を病気に例えれば、トランプ再選は国の「病状」を示すとの指摘に合点がいく
▼日本に目を転じる。非正規雇用で所得が上がらず不安を抱く人も増えた。物価も上昇の一途。税金も低所得者ほど負担が重い逆進性が進む。国内事情は米国と「同病相哀れむ」といったところか
▼衆院選でも既存政党は退潮し、所得向上を掲げる政党が議席を増やした。人が将来に希望を見いだせない国への荒療治だろう。ただ見誤れば大病の恐れもある。手当てはしっかりと。