https://www.tokyo-np.co.jp/article/365835?rct=discussion
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が民主党のハリス副大統領との激戦を制し、4年ぶりに再び大統領に就くことが決まりました。
東京新聞は7日の社説「トランプ氏返り咲き 分断と憎悪の激化を憂う」で「世界で権威主義が台頭する中、民主主義国家をけん引すべき超大国の分断と暴力、『米国第一主義』への回帰を深く憂慮する」と指摘しました。「米国第一主義」を掲げるトランプ氏は1期目に外交、安全保障、通商、環境、国境管理などあらゆる分野で自国利益を最優先する政策を推進してきましたので、国際社会にとってトランプ氏とどう向き合うのかは大問題です。
ですから、今年の大統領選が始まった当初は「もしトランプ氏が当選したら」という「もしトラ」、大統領選で優勢が伝えられると「ほぼトランプ氏が当選しそうだ」という「ほぼトラ」、そして今回当選を決めると「またトランプ氏だ」という「またトラ」という具合に、話題に上り続けてきたのです。
2期目の当選を果たしたトランプ氏の下で、民主主義大国の米国が再び混乱に陥ったり、国際情勢がさらに悪化することを避けるべきは当然ですが、異色の指導者の再登板は、日本をはじめ各国にとって過去の経緯にとらわれず、米国との関係を再調整する好機かもしれません。
早速電話で祝意を伝えた石破茂首相は長年、日本側の捜査権を制限し、不平等さが指摘されてきた日米地位協定の改定を主張してきました。首相に就いた途端、封印するのはもったいない。
トランプ氏は1期目の就任前、在日米軍撤退の可能性に言及したこともあります。直ちにというわけにはいかないでしょうが、話し合いを続ければ、沖縄県に米軍基地が集中する現状を変える糸口をつかめるかもしれません。
安倍晋三元首相は1期目のトランプ氏と蜜月関係を築きましたが、当時のように高額な米国製防衛装備品を大量に購入して歓心を買うことだけがトランプ氏との向き合い方ではないはずです。 (と)