【政界地獄耳】国政と都知事選分けられぬ立民執行部の失策 - 日刊スポーツ(2024年6月15日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202406150000122.html

★13日、日本維新の会代表・馬場伸幸は会見で5月31日に自民党総裁岸田文雄との合意文書で、調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)の使途公開や立法措置について「文案には、今国会中に決着を図るという意味の文案が入っていたと聞いています。(自民党から)その時期的なものを外してくれ、信用してくれとおっしゃったので信用した」と発言。ところが11日、自民党国対委員長浜田靖一は今国会中の法改正は「日程的に厳しい」とし、馬場は約束をほごにされ「やらないということであれば、うそつきということになります」と猛反発した。

★これを受け立憲民主党代表・泉健太は党の会合で「馬場代表が(自民党に)ハシゴを外された。トリガー条項凍結解除をめぐり、国民民主党が自民を信用して協議に臨んでみたらどうだったか。これまたハシゴを外された。自民自身に誠実に協議に応じる気はさらさらない。その場しのぎを繰り返せば政権は維持できる。そういうことを繰り返してきたということだ」と維新、国民は立憲と同じ土俵にいることを強調した。

政治資金規正法改正の自民党のやる気のなさ、不誠実さの批判で各党の足並みがそろえば、会期末に内閣不信任案提出が見える。そうなれば否決されても、首相は衆院解散にかじを切るとのもくろみが立憲にはある。総選挙の結果、3党で過半数を占めれば連立政権が可能となる。ただ、そこに暗雲が垂れ込める。東京都知事選だ。立憲、共産、社民の野党統一候補選定会議から始まっているが、蓮舫の出馬が決まると共産が前に出すぎて、国民民主や支持母体の連合が不快感をあらわにし始めた。連合東京は歴代都知事与党を貫いていて、今回も小池支持に回る。立憲執行部は3党での不信任案提出を優先したい。結果、立憲は蓮舫支援で党内が一本化されず、蓮舫のハシゴを外す。国政と都知事選を分けて考えるよう各党を説得しない、できない立憲執行部の失策だ。(K)※敬称略