https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202009260000069.html
★23日、立憲民主党代表・枝野幸男は日本外国特派員協会で会見し「『民主党と新しい立憲民主党は何が違うんだ』という指摘を受けるが、明確に違う」と話し、菅内閣との違いについては「今回は明確に新自由主義的な自由民主党に対し、私たちは『支え合う社会』という立ち位置を明確にした」と強調した。野党はいつも同じことを言っていると感じるかもしれないが、明確な対立軸を自民党の新自由主義体質に絞ったことは、大きな塊となった立憲民主党と取り巻く野党に大きな目標を与えることになる。
★ただ、今回の会見で最も重要なことは支持母体としての長い付き合いのある連合が今月19日に中央執行委員会で正式決定した「次期衆院選に向けた基本方針」に「連合は共産党を含む野党共闘には与(くみ)しない」と明記したことに対して触れ、「3~10年ぐらいにやらなければならないことについては相当な共通点がある。天皇制や日米同盟に対する考え方など、違いを前提にした上で、どこまで連携できるのか、最大限の努力をする」と踏み込んだ。
★つまり枝野発言は連合が共産党との関係見直しを迫ったことに対しての回答となる。連合が禁じている政党への政治介入は年々激しさを増し、組織内候補は党の方針よりも出身労組の顔色ばかり見ている。ではその組織が組織内候補以外の立憲民主党候補者にどの程度選挙で票を出してくれるのか。冷静に見れば選挙の下支えでは共産党との選挙協力の方があてになるとの声も多い。枝野の発言に共産党書記局長・小池晃は「全く同感だ。私どもも最大限の連携ができるよう努力する」と会見で応じた。一方、立憲民主党も全面的な連合・労組依存は大衆・国民政党になり切れない「とげ」とみることもでき、連合抜きの野党が生まれる可能性を示した。旧民主党との本当の違いは「脱連合」なのかもしれない。(K)※敬称略