【政界地獄耳】パー券で派閥のつながりパーに? 5大派閥の連立のような自民党の形崩れかねない - 日刊スポーツ(2023年12月6日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202312060000019.html

★各紙の報道を総合すると自民党の派閥のパーティーを巡る疑惑で安倍派(清和政策研究会)はパーティー券販売ノルマの超過分を政治資金収支報告書に記載していなかった疑いで、東京地検特捜部では派閥の事務総長への事情聴取が検討されている模様だ。政治資金規正法は収支報告書は会計責任者に提出義務があるが、派閥の会計を取り仕切るのは事務総長で事情を知っているとみられる。不記載が疑われる時期の安倍派事務総長は元文科相下村博文官房長官松野博一経産相西村康稔国対委員長・高木毅と派閥の幹部かいわゆる派閥の5人衆で、閣僚2人でもある。

★松野は官房長官会見でこの問題に関して「お答えを控える」と答弁拒否を繰り返す。立憲民主党小沢一郎は「国民に説明するつもりがない。つまり仕事をしないなら、もう官房長官としての出仕(公の勤めにつくこと)を控えてもらいたい」と厳しい反応を示した。西村も「個々の政治団体の話なので、政府の立場としてのお答えは差し控えたい」と日頃の対応とは違い、おろおろしているのが分かる。高木に至っては「会計に関わっていないため何とも言いようがない」と当事者でないことを強調するが、すでにその段階は過ぎている。これほど、派閥の幹部が動揺するのも極めて近くまで特捜部が近づいてきているということなのか、事態の全貌が把握できないのか、最大派閥の威厳はそこにはない。

★同様に二階派志帥会)でも裏金化の動きがあるという報道があると共に、同派の元五輪相・桜田義孝が、同派から課される派閥の政治資金パーティー券の販売ノルマに不満があるとして先月末に派閥に退会届を出していたことも分かった。政治とカネの話は派閥のつながりをも壊しかねない。その意味では5大派閥の連立政権のような自民党のかたちが崩れかねない事態ともいえる。事はかなり深刻だと受け止めた方がいい。(K)※敬称略